海外営業マンが説く“法人営業の心得”は実に日本的

画像: Wellington recruitment agencies

2015.03.18

営業・マーケティング

海外営業マンが説く“法人営業の心得”は実に日本的

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

先進国市場でのB2BまたはB2G営業においては、着実に結果を出せる営業員の考え方は共通する。それは一見、「日本的」で「ベタ」なやり方だが、顧客キーパーソンの信頼を得るために必要なことをやっているに過ぎない。

弊社のサービスラインに「営業モデルの確立・標準化」というのがあるのだが、最近は日本企業の海外部門で実施することもある。当然、その対象は現地の営業パーソン達で、その大半は非日本人だ。

その進め方の中核部分は国内で実施する場合と基本的に同じだ。成功している営業員何名かにヒアリングして、その共通する営業プロセスと成功要因を洗い出すのだ。当然ながら、それらが共通するだろうというのが前提条件だから、対象マーケットの事情が共通するグループ毎に実施する。

つい最近、あるハイテクサービスのクライアント企業の海外法人(特定市場向け部門)における営業モデルの確立のため、ニュージーランドに出張した。現地で「優秀」と評価の高い営業員に、彼の主導したある案件を参照事例として取り上げるべくヒアリングするためだ。その前段階として、この会社の海外営業担当者の協力をいただいて標準プロセスの仮説を作成しており、その現実性や有効性を検証する意味合いもあった。

直前にいただいた案件概要などのインプットはあったが、クライアント企業のプロジェクトメンバーが多忙過ぎたせいで事前にはあまり情報がなく、ほとんどぶっつけ本番でQ&Aセッションを行った。それでも予定された面談の終わりにはなんとか、概要、登場人物、経緯、現在のフォロー状況などを把握した(ニュージーランド英語の発音は米語とは所々違うため、結構苦労しましたが)。

そしてそれと並行して「なぜ、そのステップでそういうことを実施したのか」「何を重視したのか」「なぜ顧客が気に入ってくれたと思うか」など、成功要因に関連する事項も多角的に確認した。

そこで分かったのは、確かに日本や西欧とは商習慣は違うが、優秀な営業の考え方はかなり日本と共通するということだった。今回用意した「標準営業プロセス」は先進国向けなので、ある程度は共通するとは想定していたが、「営業のあるべきスタンス」や「どういうことに価値を置くべきか」といったことの共通度は想定以上だった。

要は「顧客目線を維持すること」が最重要だと、その優秀営業員は何度も繰り返すのだ。そして彼が信ずる、「顧客と波長を合せる」ために実践していることを具体的に幾つか語ってくれた。例えば「キーパーソンの信頼を得ることを最重要視している」、そのため「定期的に通って、何か気になることがないか常に尋ねている」、「何か質問されたらすぐに対応し、その途中報告も欠かさない」などといったことだ。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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