都会で積んだ経験を故郷で活かす「地方創生Uターン」のススメ

2014.11.12

ライフ・ソーシャル

都会で積んだ経験を故郷で活かす「地方創生Uターン」のススメ

「地方創生のススメ」編集部 (東京過疎化プロジェクト)
合同会社RegionWire

最近では都会で身につけた経験やスキルを地元の活性化に役立てようとUターンしたり、東京と故郷にて二拠点展開したりする人材が現れ始めている。 そこで今回は「地方創生のススメ」にて取材してきた地域活性の取り組みの中から、そんな「地方創生Uターン」した5人の若者を紹介する。

「傍観者として、外から政治がどう、役所がどう、何々がどうなどと批判しているだけでは何も変わりません。自らが主体者になって初めて物事は変わるのです。」(高橋氏)

(画像)東北開墾 代表理事・高橋博之氏(右)

そんな想いから「食」の世界へと軸足を移した後も、「食」を通じて受動的な消費者から主体的な消費者へと変わるきっかけをつくりながら地方と都会とをつなぐべく、生産者の想いを取材した情報誌とその収穫物とが一緒になった「東北食べる通信」を立ち上げるとともに、このモデルを全国に広めるべく日々奔走している。

関連記事)高橋氏インタビュー:地方と都会をつなぐ“回路”づくり http://regionwire.com/?p=3357

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===故郷を舞台に新しいライフスタイルを発信(株式会社459・真鍋邦大氏 / 香川県高松市)===

四国や瀬戸内海の島々の地域おこしに奮闘する株式会社459。同社代表の真鍋邦大氏は生まれも育ちも高松だが、大学進学をきっかけに上京し、卒業後はそのまま東京に残って外資系金融機関に就職した。新卒当時は地域おこしどころか、地元に戻る気も全くなかったと言うが、転機は2008年だった。

当時からメディアでは地方はダメだ、地方は疲弊しているなどと散々言われており、東京にいる頃は真鍋氏もそれを疑わなかった。しかし半年ほど米国に滞在することになり、渡米までの間東京の家を引き払って1か月ほど実家で過ごすうちに、よほど東京より地方のほうが元気なことに気づく。

(画像)株式会社459 代表 真鍋邦大氏

「東京では毎日通勤に何時間も費やし、満員電車に詰め込まれ、表情もしかめっ面ばかり。マクロで見れば確かに地方は疲弊しているかも知れませんが、一人ひとりを見てみれば東京の人たちのほうがよほど疲弊していると、そのとき思ったのです。」(真鍋氏)

一方地方の人たちは日常が当たり前になっていて、地元の良さに気付いていない。ならば都会と田舎の両方を知る自分が地域の良いところを発信することで、地域の人たちがその土地に誇りを持てるようなことを出来ないだろうかと考えたのがそもそもの始まりだった。

とは言えすぐに行動に移したわけではなかった。予定通り渡米し、帰国してからもしばらくは東京で働いていたが、間もなくして東日本大震災が発生した。

「東日本大震災は太平洋戦争以来の有事といっても過言ではなく、そのとき私は震災を境にパラダイムシフトが起きると直感しました。パラダイムシフトにはさまざまな定義があると思いますが、私は『優先順位の変更』であると考えており、従来の“貨幣”から“安全・安心”に対する価値観へと優先順位が変更していくに違いないと思ったのです。」(同)

確かにすぐに行動に移せる人は少ないかもしれない。しかし例えば子どもが就学したタイミングだとか定年退職のタイミングで移住を検討するなど、数年から十数年の単位で見た時には必ず地方志向が高まると真鍋氏は考えた。

次のページ===まとめ-奪い合うのではなくシェアするという考え方===

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