熱く走る。熱く働く。

2013.08.14

仕事術

熱く走る。熱く働く。

喜田 真弓

職種によってそれぞれやりがいは異なるが、営業職には営業職ならではのやりがいがある。結果が数字で現れるのでわかりやすいし、成約したときの達成感は他の職種では得られない。提案した内容がお客様に受け入れられ喜んでもらえたり、お客様から信頼され、必要とされていると感じた時など、純粋にこの仕事をしていてよかったと感じる瞬間だ。

「この案件を逃してしまうと、アシストとお客様は疎遠になってしまい、これまで積み上げてきたお付き合いはもうできなくなってしまうという状況でした。10年以上お付き合いのある、私を育ててくださった大好きなお客様でしたから、絶対にアシストが採用されるよう全力で提案しました。しかしながら、アシストができることはすべて提案しましたが、不幸なことに統合するもう1社はメーカーが製品を提供していたため、その製品のメーカー直販と競合することになったのです。どう考えても状況は厳しく、正直、負けそうな案件でした」

そんな矢先に、現場で対応されていた鈴木が慕うお客様が、鈴木の知らないうちにその案件のキーマンに対して、「この製品はアシストから購入することが望ましい」といった内容の文書を提出してくれていたことを知る。

「そのお話は後になってキーマンの方から伺いました。私はお客様のオフィスのある建物にいたのですが、目から熱い涙があふれ出るのを抑えられませんでした。キーマンの方も、私のしつこいほどのアピールや毎日の電話攻勢にあきれられていたのかもしれません。こうして最終的に上層部や関係者とも調整してくださり、アシストからご導入いただけることになったのです」

この成約は自分一人の力では成し得なかった、と鈴木は言う。技術の人たち、それから最後まで鈴木を信頼してくれた上司の存在がなかったら途中で案件を諦めていたかもしれない。

「この案件に限らず、営業職として一生懸命仕事をしてきた自負はあります。家族と過ごす時間も平日はほとんどありません。でもそれをつらいとも大変だとも思ったことがないのは、それを上回るやりがいがあることと、いつも周りからのサポートがあるからです。ある年、夏休みをとって子供と海で遊んでいる時に携帯が鳴り、出ると上司からで、お客様先でトラブルが発生したと。家族を置いてすぐ東京に帰らなければと思うとさすがにへこみました。ところが上司が、“俺が代わりに行くから、お前は家族と過ごせ”と。本当にありがたかったです」

がんばっていれば、みんなが助けてくれる。その気持ちを大切にして鈴木は同僚や上司、そしてお客様への感謝の気持ちを忘れずに、しっかりサポートしていきたいと言う。

鈴木の趣味はマラソンで、これまでにフルマラソンを2回完走している。

「上司の奨めもあり、7年前に子供が生まれた頃から、健康のためと自分に自信をつけるために走り始めました。最初は1キロからで、今は月に100キロ走行をノルマにしています。フルマラソンは2年前からですが、練習しないと絶対に完走できません。また練習をすればするほど、走れる距離は延び、タイムも良くなります。野球やバレーボールもしますが、練習が一番ウソをつかないのがマラソンの醍醐味だと思います」。6月に社員旅行で訪れたハワイでも合計40キロほど走りこんだといい、目標タイムを目指して、これからも挑戦し続けると言う。

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