ITと医療を結ぶ架け橋に

企業に勤めながら、異業種交流を通じて、または資格取得に励み自己研鑽に努めるサラリーマンは少なくない。仕事で成果を出すことを目標にすることは、やりがいやモチベーションアップにつながるが、スランプ時のためには、心を切り替える意味でも趣味の世界を持つとか、または本業とは少し離れた分野で自分を鍛錬する場を持つことは日々の生活に活気と彩りを添える。

「損得勘定を第一に考えていた自分にとって、先生方の姿勢は刺激になりました。勉強会に参加させていただいているうちに、私も“この勉強会メンバーの仲間に入りたい、このメンバーに認めてもらいたい”と、強く思うようになり、『医療情報技師』の資格を受験することにしました。損得より、仲間になりたかったんです」

月足が、医療分野に貢献したいと思った大きな理由にはもう一つあった。

「残念な理由なのですが、身近な家族やお世話になった方々が次々と病に倒れたことです。老いは誰にもやってくることは、私も40代半ばになり、歳を重ねていけばいつかは経験するとは頭でわかっていました。けれども自分にとって大切な人たちが一度に何人も重い病に罹られたことで、色々と考えさせられたことも、医療分野が身近になった理由でした」

月足は、実はアシストに少なくない再入社組である。10年間アシストで働いたあと、あるベンチャー企業へ転職した。しかしそこでの仕事はうまくいかず、翌年には再びアシストへもどってきたのだった。

「そのベンチャー企業時代に、私が一番お世話になった方が悲しいことに最近癌であっという間に亡くなってしまったのです。また、私がアシストへ再入社してからずっとお仕事でお世話になっていて、家族ぐるみのお付き合いをさせていただいているお客様も現在闘病中です。そんなこともあって、医療分野の情報化で貢献していくことは何かの縁ではないか、と考えるようになったのです」。こうして月足は医療情報技師の勉強を始め、2012年、医療情報技師試験に合格する。

月足はいま、特に医療分野にマーケットを絞った形で自分が習得した知識を活用しながら活動を続けている。

「九州の営業所は社員数が少ないので、1人が担当する範囲がどうしても広くなります。そんな状況で医療という分野にしぼって活動ができるのは、同じ製品を担当している後輩SEが、医療以外の企業の案件をしっかりと対応してくれているからです。とても感謝しています」

2001年にベンチャー企業へ転職したものの、いろいろな意味でそれは失敗だったが、その苦い経験をもって2002年に アシストへ再入社できたことはとてもラッキーだったと、月足は振り返る。

「コンサルティング事業部に拾っていただき、データベース設計やISMS構築支援などのコンサルティングを経験しました。 その後、製品SEに戻って、いくつかの製品を担当してQlikViewの担当となり、医療分野とのお付き合いが始まったのが2010年です。後戻りをすることがなかったら通らなかった道かもしれません。昨年は、『QlikViewを使った医療情報の見える化 電子カルテ情報の見える化を自分でやってみよう』という志村先生監修の書籍で原稿を執筆するという経験もさせていただきました」

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