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おわびコミュニケーション能力 ワタミと田中直紀

増沢 隆太
RMロンドンパートナーズ(㈱RML慶文堂) 代表取締役/東京工業大学大学院特任教授
増沢 隆太/Life & Style
4.6
3,210
2012年2月25日 12:08

無能大臣とさんざん馬鹿にされる田中防衛大臣。社員が過労死して有罪判決を受けたワタミの渡辺会長。人物の良し悪しではなく、コミュニケーション能力の視点だけで見てみました。

「近ごろの若いモンは」と、いきなり年寄説教っぽく始まりますが、おわびが苦手で嫌いだといわれます。実はこれ「ゆとり世代」だけでなく、20代、30代いや50代でもいくらでもいますね。つまり若いモンだけでなく、年齢とは関係なしに「おわび」出来ない人が圧倒的に多数だといえます。誰でも嫌な言葉を浴びせられたり怒鳴られるのは避けたいものです。しかしトラブルやクレームはビジネスの宝庫とも言われます。私は以前いた会社で7年近くの在籍中、ずっとクレーム担当をしてきました。この経験からカウンセリングを学び、今や職業に出来るまでになりました。コミュニケーションの要諦を自分なりにつかみ、大学のせんせいにもなれました。
「おわび」を戦略的に出来れば、かなり高いコミュニケーション能力が身に着くといえると思います。

さて都知事候補にもなった渡辺会長のワタミでは、新入社員が過労で自殺しました。それが労災かどうかを遺族が争っていた中、長時間労働によるストレスが原因だったとして、神奈川労働者災害補償保険審査官が労災適用を認めたのです。それに関し、渡辺会長はツイッターで「労務管理できていなかったとの認識はありません。ただ、彼女の死に対しては、限りなく残念に思っています。」と発表したことで一気に炎上しました。

燃え盛るネット炎上では「ワタミは天地神妙に誓ってブラック企業ではありません」とした渡辺会長の過去のツイートが引用されたり収まる様子を見せません。
残念ながら炎上対策としても、コーポレートコミュニケーション戦略としても、ワタミグループは完全に間違っていると思います。
実はこれはインテリが陥りがちなコミュニケーションギャップ、「正否」で論争してしまう現象なのです。

ネット炎上など理性で収まるものではありません。理性的な人同士でしかコミュニケーションしなくて良いのであれば楽ですが、そんなことは世の中であり得ません。理不尽でバカで理屈が理解できず、偏見と差別と嫉妬と、人間の邪悪な感情をすべて巻き込んで起こるのが現実のコミュニケーションです。ネット炎上は「匿名性」がそれを加速させているだけです。
「人間の本性は悪」なのだと私は思います。

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シリーズ: コミュニケーション大学院講座

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