日本を牽引する人と組織の根源にあるもの:子供化する社会と組織

2007.10.29

組織・人材

日本を牽引する人と組織の根源にあるもの:子供化する社会と組織

斉藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表取締役 代表理事

今、日本全体が不祥事、暴力、不誠実に揺れている。私は企業組織の再生に向けて様々な取組みをしてきました。そして今、主因のひとつに辿りつきました。「シリーズ:日本企業の80%以上の組織が崩壊?(3)」

今、日本は子供化社会に向かって進んでいます。成熟できない人と組織、日本社会の多くの問題、課題が、ここから始まっているのです。

■人が成長できない社会組織

私達は多くの企業の皆様と様々な機会を通じてディスカッションをしてきました。その過程の中で顕在化したことの一つに、日本社会が輩出する人材の「発達の遅延と停滞」がありました。
当初、新入社員の質の低下(能力の低下ではなく)についての相談が寄せられ、その実情を知るにつけ愕然としたことを覚えています。
一見しっかりとした意見を持ち、有数の大学を卒業し、企業に入社した新人達。ところが「常識的なルールを守れない」「他人の意見を受け付けない」「ちょっとした言葉ですぐに心を閉ざしてしまう」「ストレスを感じるとすぐに体調不良になる」など社会性そのものに問題が生じているのでした。
このような状況下で型どおりの新入社員研修を実施することに意味があるのかといった悩みを抱えていました。

この現実の背景の解明と解決に向けた処方箋の研究を始め、辿りついたひとつの答えは発達心理学の中にありました。以下は「ロバート・ケーガンの構成的発達理論」です。
本来であれば、社会に出る前に第二段階を修了し、第三段階の成長レベルを獲得し、社会人となることが理想です。しかし、若手人材の多くが第二段階のまま企業に入社して来るのです。

そして、さらに気付いた事は、この発達理論の尺度を借りて、既存の企業組織/人材を診たとき、本当に若手人材だけが第二段階なのかという大きな疑問が生まれました。

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【ロバート・ケーガン:構成的発達理論】
■第一段階

幼児期の子供で構成される。この段階にいる人たちは、世界中のものが時間と関係なく、同じ質を維持するという考え方を理解しにくい。例えば、彼らは自分が水と同じように浴槽の排水溝から流れ出ることができると信じている。これは、彼らが水と自分自身との相違がわからないからである。

■第二段階
かつては年齢の高い子供と若者が属すると思われていた。しかし、ここ数年で成人でもこの段階にいることが分かり始めている。この段階では、人は物体が自分との関係にかかわらず、ずっと変わらないということを学ぶことで、現実を理解するようになる。この段階の若者は、自己中心的であり、他の人を自分の要望を達成するための助力か障壁として見ている。彼らがルールを破らないのは、捕まることを恐れているからであり、また友人どうしで互いに嘘をつかないのは、報復を恐れているからである。

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斉藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表取締役 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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