「いいね!」を社内で。~facebookに学ぶ

2011.02.28

組織・人材

「いいね!」を社内で。~facebookに学ぶ

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

沢山のシンプルで前向きな反応が組織を変えていくかもしれない。

Facebookやツイッターが人気で、それがいつも賑わっている理由の一つは、他の人が投稿したことに「いいね」と押したり、リツイートしたりと手軽に反応できる機能がついていることでしょう。自分の書いたことに反応があると誰だって嬉しいもので、また書こうという気になる。反応してもらったら、反応のお返しをしたくなるし、反応が楽しみでまた書きたくなる。そうやって投稿を動機付ける仕組みが組み込まれていることが、盛り上がりの要因として非常に大きいのだと思います。

ITに対して企業が期待したことの一つに、社内の情報共有が格段に進み、セクショナリズムもなくなってきて、コミュニケーションも活性化させられるだろうということがありました。ところが実際には、イントラネットで回覧板や掲示板のようなものを作って情報を共有したり、議論したりしようとしても、投稿や書き込みがあるのは数ヶ月で、しばらくすると見る人がどんどん減ってきて、見たり見なかったりするのであれば情報共有のツールとしては相応しくないという位置づけになり、しまいには本部からたまに無機質な資料が投稿されるだけの状態になってしまいます。内定者向けのSNSなどを作っても似たようなことになります。

例えば、研修をやりますと、「コミュニケーションが不足していた」「これからは、もっと色々と会話を増やさないといけない」といった結論を導く人は少なくありませんが、それ以降、社内で効果的なコミュニケーションが実践されるようになったという話は、なかなか聞きません。確かに、コミュニケーションが多くなると、様々な良いことがあるわけですが、時々の状況・場面に応じて効果的な会話をするのは簡単ではなく、環境も雰囲気も従前と何も変わらない中でコミュニケーションを増やそう、変えようとしても上手にできるものではありません。ITに期待してそれがうまくいかなかったのと同様、気持ちだけ変えてもうまくはいかないわけです。

コミュニケーションを取るより前に大切なのは、反応をすることである、とFacebookから学ばねばならないのだと思います。「いいね」は、短く肯定的な反応です。たったこれだけのことが書く、投稿する動機になる。理由も感想もいらない、反論や疑問などではない、相手に非常にシンプルな承認のメッセージを送ることが重要だと教えてくれています。イントラネットで投稿されたものに対して、見たら「見たよ」「アリガトウ」「やった!」「惜しい!」「スゴイ」「今度は頑張ろう」と、一言だけ前向きの言葉を書き込む。オフィスでは、一人ひとりの言動や起こったことに対して、言葉はもちろん表情や身振り手振りを交えて気持ちを表す。ある人が抱く喜怒哀楽の感情に、しっかりと気持ちをシンクロさせて一旦は同調、共感する。こういった反応の多さが活性化への第一歩だと考えられます。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(マネジメント・リーダシップ・人材育成・採用)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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