グルーポンやツイッターを使う資格、それはリテラシー

2011.01.04

ライフ・ソーシャル

グルーポンやツイッターを使う資格、それはリテラシー

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

自由を追求する、より良いサービスを追求するには、それにともなって義務があります。「安くて良い」は理論上あり得ず、「訳あって安くしている」のが普通です。これは単なる消費活動だけでなく、情報の取得においても共通します。

グルーポンに戻ります。私の家の近所の店がグルーポンに出ていました。やはり定価の半額で4980円でコースが食べられるそうでした。しかし私は、え?!あの店のコースって1万円もするの!!!という事の方が驚きでした。
交通の便も悪く、目立たない場所にある居酒屋さんで、まあ店構えは本当にごく普通です。店内も普通。この店で1万円のコースを頼むなら、私は他の店に行きます。
別にこの店が悪いという意味ではなく、今時1万円あればそこそこ有名店でもコースくらい食べられるのを知っているからです。私はこの「グルーポン半額」はウソかどうかは知りませんが、元値が高すぎるという判断で、非常にそのクオリティに疑問を持ちました。

このように情報の受け手が、元値を判断する能力があればおせちも、居酒屋コース料理も、恐らく「騙された」感じを持たずに済むのではないでしょうか。もちろんおせちにも居酒屋コースにも満足する方もいるでしょうから、個人の感覚、感性というあやふやな判断に過ぎないものではあります。
いずれにしても情報の受け手がその責任を負う、という原則は絶対に揺るぎません。その自己責任を理解した者しかこうしたソーシャルメディアは使えないと感じるべきではないでしょうか。

同じことがツイッターにも言えます。マスコミが信用できないことは、最近の政治報道のあまりのわい曲ぶり、一方の勢力に有利な恣意的報道の多さから完全同意です。それでも「私は見た」とか「事情通から聞いた」というこぼれ話が独り歩きするのは、非常に危険な情報のたれ流しの可能性は高いと思うのです。
やはり政治の世界へのリテラシー発揮においては、スーパーの牛肉特売と違って、その真実を読み解くのは容易ではありません。そこに本来はマスコミのプロフェッショナリズムがあるはずでした。しかし現実には一見公平を装いながら、実は常に特定の政治家を叩くことで仕事を得ている一部のジャーナリストと称する業界の大物などが跋扈する、とっくにプロフェッショナリズムが衰退した業界になっていると感じています。

やはり難しくとも、自分の眼を養うしかありません。スーパーの特売も30年以上見ていると、そこに真実が見えてきます。結論はスーパーの特売に行こう!です。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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