『人事制度』~自己評価について~

2010.12.22

組織・人材

『人事制度』~自己評価について~

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

ここ最近は、評価制度の中に「自己評価」も加えている企業が増えています。「自己評価」には、メリットもデメリットもあり、安易に採用するとデメリットが人事制度の欠陥となってしまうのです。

人事制度の再構築プロジェクトを伴走してほしい、というご依頼は創業以来13年間で最も多い仕事です。

組織・人事分野の中でも、最も難しいテーマかもしれません。

何しろ人が人を評価するということは非常に複雑な行為ですし、そもそも人から評価されるというのは、それほど気持ちのいいものじゃないですよね。

あまたの人事コンサルティング会社があり、それこそ星の数ほどの人事制度が誕生しては、改訂されていっていると思いますが、うまくいっていない場合も少なくないようです。

本質的に何が正しいかということがはっきりしていない世界ですから、正にアートな世界の話でどのように決めても、実に座りが悪い思いをします。

この感覚はどこまでいっても続くのではないかと思っています。なぜならこれらが正解だということがない世界だからです。

人事制度のパーツパーツにおいて、本質を掘り下げて考え続けなければならないと思っています。

そこで、今回は「自己評価」ということについて考えてみたいと思います。

以前は、評価制度に「自己評価」を取り入れている企業はそれほど多くはなかったのですが、次第次第に増えてきて、今は常識化とまでは言わないものの、珍しいことではなくなっています。

自己評価を採用して評価制度を運用することに多くのメリットを期待して導入するわけです。


自己評価を起点とすることによって、上司が見落としている仕事の主張ができ、公平さが保てるということが第一にあります。次に、自己評価をすることによって、被評価者の評価制度への理解と意識づけに期待することができます。そして、業務上の情報の本人発信によって、上司からの指導が自然でやりやすくなります。全体として自律的な風土を作るための方策という側面も考えられます。

しかし、いいことばかりではありません。

一般的には被評価者は評価者訓練のように、評価する訓練を受けているわけではないので、評価は大いにぶれます(評価者訓練をしてもぶれることを前提にせざるをえないのですが)。自己主張の強い部下もいれば、自分を客観視することが苦手で、自分を過大に評価している部下もいます。逆に、謙虚に考え、目標イメージを高く持って、常に自分に厳しい、部下もいます。

こうした大きくブレる部下の評価に対する上司側に、よほどきちんと見る目がなければ、結論的には、評価は上昇基調になる危険性が高いのです。

自分に厳しい部下は上司から見ればかわいい部下であり、「君はもっと頑張っているよ」と上乗せの評価で応えたくなる傾向があります。

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今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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