東京都青少年健全育成条例改正にあえて賛成する!

2010.12.06

経営・マネジメント

東京都青少年健全育成条例改正にあえて賛成する!

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

/都条例の改正の焦点は、マンガやアニメの児童ポルノだ。不健全図書に指定されても発禁になるわけではなく、問題の本質は、児童ポルノを利用した近年のマンガやアニメの商業主義だ。社会を敵に回し、改正に反対する暇があったら、作り手たちが自分たちで解決すべきではないのか。/

 青少年健全育成条例のようなものは、戦後、どこの都道府県にある。唯一無い長野県も、市町村の条例によってカバーされている。今回、東京都条例の改正案で論争となっているのは、青少年が販売したり閲覧したりしさせないようにすべき、いわゆる「有害図書」に、マンガやアニメの児童ポルノを明記しよう、という点だ。

 現行の東京都の条例に即して言えば、「青少年」というのは「十八歳未満の者」で、これまでにも、第七条で、いわゆる「有害図書」(東京都の言い方では「不健全図書」)を青少年に販売等をしないように努めなければならない、とされている。その対象は、「図書類又は映画等の内容が、青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあると認めるとき」とされる。

 この条文そのものからすれば、その主語は「図書類の発行、販売を業とする者は」であって、本来は、発行者や販売者が、そのおそれを認めるときに、青少年に販売しないようにする、という、自主規制の努力義務だ。しかし、実際は、同施行規則により、東京都青少年健全育成審議会が「不健全図書」を指定し、書店が、青少年に販売しないこと、青少年が閲覧できないように包装すること、一般図書と陳列を区別することが義務づけられることになる。

 で、今回、この対象をより具体的に規定しようということで、11月案では、「次の各号のいずれかに該当するもの」として、既存の条例内容のままの第1号に加え、「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く。)で、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為又は婚姻を禁止されている近親者間における性交若しくは性交類似行為を、不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を妨げ、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」という第2号が起こされた。

 「非実在青少年」という表現があった2月案に比してかえってわかりにくくなったが、追記される第2号の焦点は、マンガやアニメの児童ポルノの問題だ。実写については、国の「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」で禁じられているが、マンガやアニメに関しては野放しになっている。そこで、条例が必要と考えられた。この改正案に関し、都小学校PTA協議会や都私立中学校高等学校父母の会中央連合会などが賛成。ところが、マンガ家・マンガ評論家・マンガ研究者の一部、シナリオ作家協会、ペンクラブなどが、表現の自由の侵害だ、フィクションの中にまで現実の法律の規制を持ち込むのか、と強硬に反対。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 芸術学部 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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