キャリアに保険をかけるということ。

2010.11.25

仕事術

キャリアに保険をかけるということ。

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

仕事をする上で「安定性」はとても重要なポイントです。しかし、これまでのキャリアカウンセリングやセミナーを通してお会いした方々から受ける印象は「本当の保険をかけていない」という事実だったりするのです。

キャリアに保険をかけると言っても、べつに「キャリア保険」なる金融商品があるわけではありません。

生命保険や医療保険、損害保険のようにお金を払えば安心というものでもなく、健康保険や介護保険のように国が守ってくれるものでもない「キャリアの保険」について少し考えてみたいと思います。

◆ キャリアの「安定性」は何から生まれる?

今年は氷河期を下回る「内定率」のようです。今後、年が明けて入社に近づくと「就職率」が発表されますが、この段階になると幾分数字は上昇します。

それは母集団が小さくなるからですが、そもそも母集団は就職を希望している学生のみであり、大学院への進学、留年、公務員試験を受験など様々な理由で母集団を形成する人数が減っていくためでもあります。

さて、キャリアの「安定性」という点で、私自身が職業斡旋を前提としない有料キャリアカウンセリングを行っている背景を少しお話ししたいと思います。

私の身内が勤務したそれぞれの会社ですが、1人は東証一部上場で創業70年目に吸収合併され大リストラが行われました。もう1人は東証一部上場のIT系企業で地方拠点が分社化され支店から子会社となり、社員は転籍(賃金等を含む見直し)となりました。最後の1人は大手運輸系企業で現在外見は大変なことになっております。

また電機メーカーや金融機関であっても、私が就職活動をしていた10数年前と比べても業界図は大きく変わってきています。

ということで、それぞれ当時は「就職人気ランキング」上位に掲載されていた企業であったのですが、今は影はあっても、人気ランキングで抱かれた希望という形がない状況です。

◆ 再就職を支援する中で見えてくるもの

30代~50代の再就職を支援していると、再就職に成功するか否かというポイントは、それまでに経験してきた業務だけではなく、周囲にいる当時の上司、同僚、後輩とどのように接してきたのかにかかっているように感じています。

日本企業への転職という点でいえば、優秀すぎても不自由ですし、仕事を任されなさ過ぎても不自由といえます。ここで重要なのは、仕事がデキるから安泰というわけでもないということです。

ちなみに、再就職のカウンセリングのときに話していることですが…

「路上で困った顔をしている人を助けたことがありますか?」と伺うようにしています。

ほとんどの人はよほどの理由がなければ、基本的に「避けている」と答えます。声をかけるのはボランティアか宗教の勧誘かもしれません。要は「余計な問題に巻き込まれたくない」という意思によるものなのです。

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荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

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