「スター社員の仕事術」~相乗効果を阻害する要因~

2010.09.08

仕事術

「スター社員の仕事術」~相乗効果を阻害する要因~

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織はもともと、一人ではできない大きなことや高度なことをやるために、夢を実現するために存在するわけですが、その源になるのが「相乗効果」という考え方です。 「相乗効果」を発揮するためには、独りよがりのこだわりや思い込みは捨てて、アイデアを出し合う必要があります。

■□■ 相乗効果を追求する ■□■

「相乗効果」とは、全体の合計が各部分の和よりも大きくなるということですね。1+1=3にも1+1=10にもなるということです。

この言葉は今や常識化していると思うのですが、実際には、期待したほどの相乗効果が得られていない組織が多いのです。相乗効果は得意分野を生かし合うことが理想の状態です。ところが実際には、何人かで仕事を分け合って「補い合う」レベルに留まっていることが多いもの。依存し合って1+1=0.7くらいになってしまい、組織で仕事をしている意味がない状態になってしまいます。

相乗効果を阻害する要因は、4つあると考えられます。

[1] 他の人 ( 他の部署 ) の力を借りることが下手である
苦手なこと、できないことについて他の人の力を借りて、それを真似る、盗むという考え方も必要

[2] チームとしての目的への意識が弱い
お互いが、チーム全体の目的や目標への意識を持ち、積極的に協力し合う意識をもってそ相乗効果が生まれる

[3] 人の好き嫌いを仕事に持ち込む
「人の好き嫌い」での仕事の依頼が横行していくと、チーム全体の能力発揮度や結果としての成果は低いものになってしまう

[4] 過度の競争風土
何としても自分の順位を上げ、目標達成のみに集中しようとし過ぎると、協力し合うどころか、足の引っ張り合いになってしまう

■□■ 行き詰まったら知恵を集めて、考え直す ■□■

何かを一緒にやっていく時に、今後の方向性を決めたり、新しいアイデアを練って事態を進展させたりするには、話し合いが協働の潤滑油になります。意見の相違がなかなか埋まらず、膠着化したり、最初から場が活性化せず特定の人の考え方に場が支配されて行き詰まりを迎えたりすると、チーム内の協力のムードにかえって水を差すというのはよくあることです。

相乗効果を発揮するためには、そうした話し合いの時に、関係者が満足できるレベルまで妥協せずに話し合いを続けることがとても大切になります。色々な立場の人が集まって話し合う際には、アイデアが十分に出るように話し合いの仕方を工夫する必要があります。こういう時、会議の参加者は、アイデアを出さなくてはならないテーマについて、いきなり話し合うのではなく、個人で考える時間を設けて紙に書きます。

各自の意見やアイデアを十分紙に書いたところで、議論に入ります。こうした単純な方法でも、効果は絶大です。

■□■ 我を張らない ■□■

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今野 誠一

今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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