企業は取引先が8割5分

2010.08.04

経営・マネジメント

企業は取引先が8割5分

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

批判はあるようですが「人は見た目が9割」という書籍がヒットしたこともありました。 それでは企業は? 「企業は取引先が8割5分」です。どういうことか数字を以って説明します。

この根拠は財務省のシンクタンクである財務省財務総合政策研究所が行う法人企業統計調査からきています。

法人企業統計調査は、日本の営利法人等の企業活動の実態把握を目的に約3万社近くを対象にその決算数値をとりまとめるものです。標本調査ですが、2008年度以前は資本金10億円以上の企業が、2009年度以降は資本金5億円以上の企業が全数抽出されると共に、上場企業以外の企業の数字も数多く含まれているため、業種別の財務比率を把握するのに有益な資料です。

今回は、あるセミナーで使用するために、企業の売上高に対して外部に支払われている支出の割合を調べました。その結果、製造業も、非製造業も、そのため全産業も売上高に占める外部に支払われている支出の合計は85%になりました(この中には減価償却費も含まれていますが、計上のタイミングの違いこそあれ外部に支払われているという意味で、設備投資を便宜的に減価償却費を用いて捕捉しています。)

つまり、企業の売上にしても、利益にしても、ビジネスの仕組みにしてもその8割5分が外部の企業、サプライヤ、仕入先、ベンダーといった貴社に材・サービスを提供している取引先によって培われていることを2008年度のこの数字が示しています。

当然、この取引先が8割5分という数字は、業種を細かくみていくと違いが出てきます。2008年度の調査では、卸売業では94%、小売業が87%でした。流通業は仕入れが多く占めるのでこの数値が大きくなるかと思いきや、自動車・同附属品製造業で89.5%、情報通信機器器具製造業で87.6%、食料品製造業で86.5%と、メーカであっても、業種によっては8割5分以上の売上が、取引先によってもたらされているないしは持っていかれているということが分かります。

尚、時系列でこの数字を見ていくと、非製造業は1999年当時から対売上高外部支出の比率は85%で、多少の上下はありますが、この10年間でその比率は大きく変わっていません。

一方で、1999年の製造業の対売上高外部支出の比率は79.8%で、この10年間で右肩上がりで5%ほど外部支出の割合が増加したことになります。この背景には、メーカもコア・コンピタンスへの注力を進め、原材料・部品から部品を組み合わせたモジュール、製品での取引を増やしていること、多機能・高品質ということに対して対価が支払われなくなっている、それでは売れなくなっていることなどがあると考えられます。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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