事業仕分けを仕分けする~(3)「変える」を徹底する

2010.06.22

経営・マネジメント

事業仕分けを仕分けする~(3)「変える」を徹底する

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

事業仕分けは、今度は行政事業レビューとして各省毎の事業仕分けへと広がりを見せるなど、非常に(政治的に)効果の高い手法と受け止められているようです。 果たして事業仕分けはムダを省く打ち出の小槌なのでしょうか? あなたもうすうす感じているかと思いますが、事業仕分けは残念ながら万能薬ではありません。それどころか、使われ方によっては単なる偽薬に過ぎないガマの油かもしれません。

二回ほど事業仕分けをケースにムダな支出や支出管理の手法を整理してきましたが、今回は、事業仕分けの問題点を参考に、あなたの会社のコスト削減や経費削減においても起こり勝ちな課題とそれへの対処についてお話します。

事業仕分けの熱狂の後、あなたは我に返り、こう尋ねます。

「それで予算は結局幾ら削減されたの?」

ちなみに、2009年の事業仕分けの成果は約7,000億円と言われていますが、真偽の程は分かりません。なぜなら、事業仕分けの判定の結果は強制ではありません。2009年は3兆円を目指して、7,000億円で少ないと言われていましたが、最終的な予算の削減額はもっと少なくなっているかもしれません。或いは0もしくは反対に増えているかもしれません。これは、この3~5月に行なわれた事業仕分けでも、これから行なわれる行政事業レビューでも共通の課題です。

これらの事業仕分けやレビューの最大の課題は、事業の廃止、見直し、予算縮減など、どれだけ厳しい判定を行なおうと、その判定結果の見直しは、これまでそうした事業を担っていた実務方に任せきりになっていることです。

ムダを省くということは、今までやっていたムダな作業や事業を止める、作業・事業のやり方を変える、作業・事業をよりふさわしい主体に任せる、事業主体の選定に競争を導入する等々、いずれもこれまでの行動を何らかの形で変える事です。行動が変わらなければ、ムダはなくならず、コスト、経費は変わりません。どんなに仕分け人が的確な鋭い指摘をしようが、それを受けた結果として組織としての行動が変わらなければ何も変わりません。

これまでそれを担っていた人間に、指示を出したたけで、本当に行動は変わるのでしょうか?

担当者も馬鹿ではありません。事業仕分けで見れば、むしろ、官僚や役人など、非常に優秀な人間であり、またその問題の専門家です。仕分け人がちょっと見て指摘するようなことは、言われなくても分かっている事ばかりです。それでは、なぜそうしたムダがなくならないか?

それは、ある意味、確信犯的に行なわれているからです。

予算やコスト・経費に厳しいと言われている民間企業であっても、

「取引先や提供しているモノ・サービスの質を変えると、現場や利用者から文句が来る」

「これまで何度も顔を合わせていた取引先を切らなければいけない。」

「この作業・事業をやめれば、自分の仕事がなくなってしまう。」

「個人的に取引先によくしてもらっている。」

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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