本業を通じた環境経営:自転車通勤を制度化-ゴールドウイン

2010.05.13

経営・マネジメント

本業を通じた環境経営:自転車通勤を制度化-ゴールドウイン

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

スポーツウェアメーカのゴールドウインが、エコ通勤の促進を目的に、自転車を正式な通勤手段として認める社内制度を始めました。 経営・マーケティングの両面から、非常に好ましい取組みです。 今回は、本業と関係のない上っ面のCSR活動に比べ、この取組みのどこが異なっているのかを見ていきます。

スポーツウェアメーカのゴールドウインが、エコ通勤の促進を目的に、自転車を正式な通勤手段として認める社内制度を始めました。(出所:2010年5月6日付 同社プレスリリース)

同社は「GOLDWIN」「SCOTT」の2ブランドで、自転車および自転車関連商品を販売しており、同社がエコ通勤の促進として自転車通勤の促進に取組むことに、非常にストーリー性、説得性があります。

最近、企業の社会的責任を問うCSRや、社会問題や環境問題などへの取組みをマーケティングや商品・サービスの販売に活用するコーズマーケティングが取り沙汰され、色々と社会貢献活動に取り組む企業やカーボンオフセット商品やNPOなどへの寄付付き商品などを出す企業が出ています。

しかし、それらの中には、「なぜその会社がそうした取組みを行なうのか」関連性が見えず、「その前にもっとやるべきことがあるのでは?」と疑念を持たざるを得ないケースが多々あります。

カーボンオフセット商品を例に取ると、まだまだ自社でCO2の削減はあるだろう企業が、そうした努力を行なわず、安易に排出権を買って、いきなりカーボンオフセット商品を出しても、まったく魅力が感じられません。

そもそも、CO2削減と環境負荷低減はまったくのイコールの関係にある訳ではないので、排出権を活用したCO2削減については、その目的の優先順位づけが果たして正しいのか、いまだに疑念を感じざる得ません。

企業は、社会にある問題解決や新しい価値提案を事業として行い、それらをお客様から認めて頂くことで利益を上げ、その利益を次の問題解決や価値提案に向け再投資することで継続して社会に価値を提供していくのが存在意義です。

本業から離れたCSR活動で社会に貢献するというのは、企業にとっては副次的活動であり、副次的であるが故に中途半端な形で終わってしまい勝ちです。本気で社会貢献したいのなら、その活動を主目的とした企業、NPO法人などの団体を組織して取り組まなければ、実のある成果を上げることは難しいでしょう。

利益と社会正義という、時には二律背反するような目的を、脈絡もなく同時に複数並べては、お客様や社員からの求心力が得られないどころか、言っていることとやっていることが異なっていたり、社会貢献活動や環境負荷低減の活動が全事業活動の内の微々たるものの時には、「きれいごとばかり並べて」とお客様や社員からの反発やシラケを生み、逆効果にすらなってしまうこともあります。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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