グローバルカテゴリーソーシングで最適調達へ‐資生堂

2010.05.05

経営・マネジメント

グローバルカテゴリーソーシングで最適調達へ‐資生堂

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

資生堂がグローバル最適調達に乗り出します。同社はこれまで約80カ国・地域の事業拠点ごとに調達してきましたが、品目ごとに適地に調達センターを設けて、世界中の自社工場や取引先に届ける体制への転換を開始しました。 今回は、この資生堂の取組みを題材に、集中購買vs分散購買の問題ならびにグローバル最適調達をいかに実現するかについて考えます。

今回の取組みで、資生堂は、まず、中国・上海に各国店舗で使う店舗什器などの資材を対象とした調達センターを設け、ここで、販促用ポーチや商品見本用の陳列什器を複数の中国企業から仕入れ、世界の主要店舗への供給を始めました。この調達体制の変更により、ポーチは5割、台は9割程度コストを圧縮でき、2010年度では計2億円以上のコスト削減ができる見通しです。

同社は、この取組みを段階的に世界15カ所の化粧品工場で使う化学品や紙、樹脂などに広げていき、センターは中国に限らず、東南アジアやインドなどを候補として、適地に品目ごとに設置していく予定です。(出所:日本経済新聞 2010年4月28日 13面)

この取組みの新しいところは、単にローコストカントリーのコストの安いサプライヤを追いかけるだけではく、グローバルかつカテゴリ単位で調達機能を集約、線ではなく面で調達戦略を考えるという、弊社が提唱しているカテゴリーソーシングの手法を取り入れているところです。

日本では、まだ、単品単位や工場・拠点単位での調達戦略の検討が主流ですが、カテゴリーソーシングは、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などグローバル経営をしている欧米の先進企業で取り入れられている調達・購買手法です。

新聞記事では、まとめ買いで仕入れコストを下げるという紹介のされ方をしていますが、カテゴリーソーシングのメリットは、そこではなく、最善の調達戦略を、効率的に採択できるというところにあります。

よく、集中購買か工場・拠点毎の分散購買のいずれがよいのかという議論がなされますが、結論はすでに出ています。いずれがよいのかを検討するためには、少なくとも集中購買したらどうなるのか、分散購買したらどうなるのかという判断を調達・購買案件毎にできなければならず、そのためには、集中購買ができる状態になっている必要があります。

検討の結果、分散購買がよければ、分散購買とすればよく、よく言われるローカルの調達・購買ニーズが損なわれるといった、この体制のデメリットはまったくありません。そもそも、そのローカルの調達・購買ニーズが貴社にとって本当に最適なものなのかの検証が必要なのですが、集中購買の体制が整っていなければ、その検証すらままなりません。

集中購買のメリットは、最善の調達・購買戦略の立案に止まりません。それに加えて、これまで、拠点や品目毎に重複して行なわれていた調達・購買活動のムダを解消することができます。

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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