利益と、情熱と、そして働く意義

2010.04.20

経営・マネジメント

利益と、情熱と、そして働く意義

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」でも取り上げられたツイッター企業、ザッポスのCEO、トニー・シェイは、「利益ではなく、情熱を追え!」の熱いメッセージを、世界の起業家たちに向けて送っている。そのトニーに、「お金があるから、情熱を追えるんじゃないの?」という質問にどう答えるか、訊いてみた。

ザッポスCEO、トニー・シェイに、6月に発売予定の彼の本、『Delivering Happiness(幸せを届ける会社)』について訊いてみました。インタビュー報告の第三回は、「会社経営における利益、情熱、意義の関係性」について、そして、「ザッポス初期の失敗」について、トニーに語ってもらいます。括弧内には、インタビューの最中やインタビュー後に思いついた私のコメントを書いてみました。

石塚:
『Delivering Happiness』のプロモ用ビデオの中に、「利益(お金)があれば幸せになれるというものではない」という言葉が出てきます。確かにそうだと思う反面、ビジネスというのは、「利益」がなくては存続していくことができませんよね。また、「利益(お金)があるからこそ、情熱を追うことができる」とも言えると思います。例えば、あなたのケースだと、ザッポスの前にリンクエクスチェンジという会社を立てて、そこから十分なお金を得たからこそ、ザッポスという会社で、自分の理想を実現することができているのじゃないか、と言う人もいると思うのですが、そういった質問に対してはどう答えますか。

トニー・シェイ:
『Delivering Happiness』の副題は、『A Path to Profits, Passion, and Purpose(利益と、情熱と、そして意義への道のり)』です。つまり、僕が主張したいのは、最高のビジネスとは、この三つの要素をすべて揃えたビジネスだということです。情熱を追うだけでもだめだし、意義を追うだけでもだめで、利益を確保する方法を考えなくてはなりません。生きていくためには、利益も必要ですから。

利益を空気に例えたらわかりやすいかもしれません。もし空気がなかったら、当然、死んでしまいますよね。でも、息をするのに十分な空気があれば、それ以上の空気はいりません。余分に空気があったところで、幸せになれるわけでもなければ、長生きできるわけでもない。そうでしょう。ビジネスにとっても同じことで、息をする、つまり、会社が存続したり、働いている人が生きていくのに必要なだけの利益を確保できた、というステージにおいては、情熱や意義が、利益よりもっと重要になる、と、そういうことなんです。

石塚:
『ザッポスの奇跡』では、主に、ザッポスの成功譚を書いているのですが、日本の読者の中には、「ザッポスを今の形につくりあげるまでに経験した躓きや失敗について知りたい」という声が多くあります。ザッポスの今までの歩みの中で、「こんな失敗があった」ということがあれば、聞かせてもらいたいと思うのですが・・・。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。

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