リーダーが忘れてはならない意欲の構造

2010.04.15

組織・人材

リーダーが忘れてはならない意欲の構造

今野 誠一
株式会社マングローブ 代表取締役社長

「意欲」の正体を解き明かし、それを高める方法をご紹介。

4月から、心機一転、新たな気持ちで「今期こそは」と、皆さん張り切っておられることと思います。私もその一人でございます。
一社一社の、さらには、一人ひとりの気持ちの持ち方で日本の閉塞感を変えていかないといかんと思っております。皆さんの今期のご成功を心からお祈りいたします。

さて、今期の成功と言えば、「成功の条件」とは何でしょうか。商売ということを考えますと、まずは「正しい戦略」や「特異性のあるビジネスモデル」という言葉が浮かんできます。それはそうなのですが、どれだけ机上の戦略が正しくてもビジネスモデルが立派でも、経営者や幹部や社員が「全力で取り組んでいるかどうか」が、最終的には企業の差になっているように思います。実行力の差とでも言いましょうか。「成功したいなら、そのために全力を注ぐ覚悟でいること」これが最低限必要なことではないでしょうか。

全力を注ぐということは、仕事への意欲が高い状態でないとできないだろうということで、経営者は社員の意欲を高めるために何をすればよいかにやっきとなりますよね。結局はマネジャーやリーダーが日常のマネジメントの中で、一人ひとりの意欲を高めることを要望されることで落ち着くことになります。しかし、リーダーが陥りやすい罠というものがあるわけなんですね。それは、一人ひとりの個別の意欲と向き合い過ぎて、一喜一憂してしまうということですね。

一番やってはいけないことというのは、「やる気を、個人の性格や資質としてとらえ過ぎる」ということです。態度や話しぶりから、ついついやる気を判断してしまいがちです。しかし、見た目とやる気は必ずしも相関関係にありません。
私の基本的な考え方は、「潜在的にはやる気のない人は会社に入って来ない」というものです。さらに言うと「一人ひとりが誰でも大いなる可能性を秘めている」「花開くのを待っている才能が必ずある」と思っています。

しかし、最初の段階でレッテルを貼ってしまうというミスをリーダーはどうしても犯してしまうんですね。「こいつは元々意欲の低いヤツだ」と決めつけてもマズイですし、逆に「こいつは元々やる気のあるヤツだから」と、性格や資質としてとらえて安心して放置していてもいけないということなんです。

意欲とは「信念→共感→模倣→ひらめき→自発性→認知→効力感→自信」というプロセスで生まれてくるものであると考えています。これを「意欲の構造」と言います。経営者や組織長の「こうあるべし」という信念が強ければ強いほど、社員はそれに「共感」を覚えます。その「共感」が原動力となって、その人の言葉や態度や考え方などを「模倣」するようになるわけです。この時点で多少のことがあったにせよ、決して見離してはなりません。「模倣」によって仕事の仕方やルールなどを学んだ彼らは、仕事上のひらめきも浮かぶようになっていきます。そのひらめきをつぶさないように大事にしていくことで、自発的に仕事していくようになります。自発性を発揮してやった仕事を上司がないがしろにせず、きちんと「認知」してあげることで、社員の心の中には「これでいいんだ」とか「自分もここでやっていけるかもしれない」という思いが芽生えます。これを「効力感」と呼びます。本当の自信というものは、「効力感」を何度か感じることによって生まれてくるもので、このサイクルをスムーズにしていくことが管理職の職務の一部であると考えなくてはなりません。

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今野 誠一

株式会社マングローブ 代表取締役社長

組織変革及びその担い手となる管理職の人材開発を強みとする「組織人事コンサルティング会社」を経営。 設立以来15年、組織変革コンサルタント、ファシリテーターとしてこれまでに約600社の組織変革に携わっている。

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