ロールプレイ研修を上手に実施する方法とは

画像: TeLL Eddie

2010.04.01

組織・人材

ロールプレイ研修を上手に実施する方法とは

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

ロールプレイングの効用と効果的な実施方法

営業職などお客様に対応する職種の皆さんは、自分たちで「ロールプレイ」をされる機会が多いと思います。ある設定のもとで、誰かがお客様役を、誰かが営業などそれに対応する役をやって、その対応者が行った言動について皆で評価・フィードバックして改善・レベルアップを図っていこうというもので、上手にやれば高い効果が期待できる研修です。

ロールプレイの効用には、次のようなことがあります。
・上司が部下の実際(普段、お客様にどのように接しているか)を推測できる。
・間違って覚えたり、誤ったやり方をしたりしていることを明らかにできる。
・互いに良い点を真似たり、良くない点を反面教師としたりすることができる。
・様々なケースを疑似体験することにより、経験不足を補うことができる。
これらは、座学や本では得られないロールプレイならではの効用です。

研修がお好きでない会社からは、「ロープレをやったからって、そんなに売れるようになるの?」という声も聞きますが、『部下がどんな営業をしているか不安』『いいところを互いに共有したい』『場数を踏ませたい』と思うなら、上のようにロープレは非常に効果的です。上手にこれを繰り返せば、「成約率を数パーセントずつ向上させる」ことも可能でしょう。研修嫌いの会社は「急に物凄く売れるようになるかどうか」を求めるものですが、そんな方法はありませんし、数パーセントと言っても、売上や集客コストに与える影響を冷静に計算すれば大きいのです。

「ロールプレイをやっているが、効果が全く実感できない。」という会社もありますが、こういうケースはたいていロールプレイが“商品知識の有無を確かめる”ことを目的としたテストのようなものになってしまっています。間違ったことを言っていないか、お客様の質問によどみなく、正確に答えているかをチェックすることが目的になっているので、ペーパーのテストをやっているのと大差ないわけです。当然、こういうロールプレイでは前述の効用を得ることはできません。

ロールプレイ研修を効果的なものにするポイントは、以下の5つです。

1.見る(評価する)観点をシートにする。
ロールプレイで何を見るかを3~5つ程度決めて、それをシートにします。顧客役と営業役以外の人は、それを手元においてメモをとりながら観察します。好感度とか熱意とか分かりやすさとか何でも構いません。この観点を変えれば、また異なった目的を持ったロールプレイ研修が実施できますし、多様な観点からレベルアップを図ることができます。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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