起業講座2:情報流通はマスメディアからユニメディアへ(2)

2010.03.02

経営・マネジメント

起業講座2:情報流通はマスメディアからユニメディアへ(2)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、インキュベーション事業を行うPE&HR株式会社が開催した会の特別レポートです。本勉強会では、特別講師として、投資先のなかでも、成長著しい注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、PE&HR社にレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

■新規事業から学んだこと
資金調達をした2004年頃から、モバイルメディア業界の様子が変わってきた。その頃を「出会い系バブル時代」と末田氏は呼ぶ。出会い系クライアントによって業界が急拡大したのだ。2005年に入ると、広告収益型のモバイルサイトを安価に作る事業者が一気に増えていた。

「どれもこれも同じようなサイトです。集客コストが増加していましたので、広告主を選んでいられないという会社が増えたんです。そのような事業者が増えたことで、ユーザーにとってあまり好ましくない情報が広告として配信されるようになり、業界全体が焼畑的なビジネスに変わっていきました。」

「当然、モバイル懸賞サイトを利用するユーザーが減っていきました。当社として、出会い系クライアントの広告を掲載すれば収益が保たれますが、そうする訳にはいきませんし、したくはありませんでした。そこで、コスト構造を見直し、オペレーションを再構築したり、様々な手を打っていきました。しかし、業界全体の流れには逆らえず、モバイルメディアのメール広告事業は急速に儲からなくなっていったのです。」

2005年には、社員が40人ほどに増えていた。何か手を打たなければという漠然とした不安感があったという。2005年から2006年にかけて、自ら次々と新規事業を立ち上げていった。しかし、十分な結果は得られなかった。新規事業の失敗について、次のように振り返った。

「とにかく焦燥感が先立ち、戦略が練りきれていませんでした。例えば、既存のメディア事業の営業チャネルを活用した広告仲介事業を立ち上げました。短期的に数字を作ることもできたのですが、事業構造上、大手のレップには勝てないなと感じる事業でした。また、広告収益以外の柱を作ろうと、EC事業をしてみましたが、将来ビジョンを描ききれず早々に撤退を判断しました。あとは、アフィリエイト事業の子会社を設立したのですが、企業文化の異なる会社になってしまったりと、結果的にどれも中途半端になってしまいました。」

「複数の事業を並行して走らせるには、どうしても人に任せる必要が出てきます。どのように任せたら良いかわかっていなかったんです。自分が直接やると成功するまでやるのですが、人に任せるにはきちんと事業管理するスキームが必要だったのです。マネジメントの課題が浮き彫りになりました。何より起業するときに教訓にしていた『ネットビジネス失敗企業に見られる共通項』(※2)を自らが実践してしまっていたのです。」

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