「解雇」の持つチカラ

2010.03.02

経営・マネジメント

「解雇」の持つチカラ

荒川 大
株式会社ENNA 代表取締役

前述の「解雇できる組織作りで会社組織をポジティブにする方法」というコラムへの反応から見る「社員を大切にする経営」の本質について

日本航空が2700名の早期退職を発表しました。
退職積増金の額面を非公表としていますので、応募数が満たなければ、税金投入に対応するためギリギリの積増金に設定したと分かりますし、もし予定人数を大幅に上回るようであれば、税金をそのまま投入したとして今後非難を浴びることになるのでしょう…。

前回のコラム「解雇できる組織作りで会社組織をポジティブにする方法」では、明確な解雇制度を導入することで、組織に刺激を与えることも必要ということを書きました。

会社のために日々行動できなければ、注意されて、そして注意が重なれば解雇されるという暗黙の了解を、明文化してみませんか?という内容だったのですが、そのタイトルから、過剰に反応が割れたように思います。

多くの企業が、終身雇用を放棄し始めており、家族経営から「雇用契約」に基づく相互扶助の関係に移行している中で、「退職奨励」も認められないし、会社に居るだけの社員と会社に貢献している社員の明確な線引きが会社を改善するということを、分かりやすくすることが重要というメッセージを書いてみました。

前回のコラムに対しては「解雇容認というスタンスが、会社をダメにする」という声もありましたが、「本当に会社のために働き、それ相応の報酬を求めている社員」にとっては、効率的な経営を望むものではないかと思うわけです。

会社は全社員に対して平等に雇用を守る義務があります。

しかし、それは守ることができる(会社が存続する)時に行使できる義務でしかありません。

日本の経済は95%以上が中小零細企業で成り立っています。経営者の個人保証による融資で企業が回っているのが現状です。その経営者が自分の会社を安定、成長させて、従業員を守っているわけです。

それに対して雇われている側は、労働基準法に従って「居れば」給与が支払われる「状態」にあるわけです。

その関係性や立ち位置において、また「雇用契約」が重要なファクターとなるこれからの雇用関係において、「解雇」ができる仕組みを持つことは、本当に会社を活かすための重要な取り組みであり、会社や経営者と共に成長しようとする(一部かもしれない)社員を本気で守っていくために必要な施策であると考えるのです。

結論を最後にするならば、会社に貢献している社員が自分の勤務先を見限るようなことがあれば、経営を成り立たせることは難しく、会社にいるだけでよいと考えている社員も一緒に路頭に迷うことになりかねないのが、景気対策が不十分な日本経済の現実的な姿だと思うのです。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

荒川 大

株式会社ENNA 代表取締役

企業実務(総務・人事・法務・社内システム等)におけるコンプライアンス対応について、企業実務者の観点からの業務改善、内部統制対応等の支援を行なっております。

フォロー フォローして荒川 大の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。