無縁社会とあり方

2010.02.06

組織・人材

無縁社会とあり方

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

本記事は「無縁社会の根底」として掲載したのですが、タイトルが内容とあっていないように思いましたので 再度、タイトルを「無縁社会とあり方」としました。 本記事は情報提供ではなく内省を促す内容になっています。

無縁死・・・3万人強
誰にも気づかれず、誰にも看取られることなく死んでいく高齢者が増えています。

それは単に高齢化が進んだ結果、ということで片付くことではないのです。

私達の身の回りは既に無縁社会になっているのではないでしょうか?

「家族」、互いの悩みや喜びを分かち合っているでしょうか。
「学校」、友達と本音で話しているでしょうか。
「会社」、隣に座る同僚はどんな人でしょうか。
「コミュニティ」、隣にどんな方が住んでいるでしょうか。

あなたは絶対に無縁死にならないという自信がありますか?

今、他人と心から繋がることができない人が増えています。
他人に関心を持てずに、結局は自分が孤独になっていってしまう人が増えています。
そのことが、どれほどこの社会の活力と可能性を減退させていることか。
計り知れない負の資産です。

そして、日本は急速に家族しながら無縁社会に向かっています。

私達は本当にこのままで良いのでしょうか?
私達はこのような状況を望んだのでしょうか?

では、そうならない何らかの努力や取り組みはしていますか?

私は企業の組織開発のコンサルティングをしてきました。始めは業務プロセスの改善や問題解決能力の強化が中心でした。しかし、優秀な人材が作る平凡な組織の根底は、やり方や知識、方法論に問題があるのではなく、協働、共生、相互支援、信頼、安全な場といった人と人の繋がりの強さに課題があることに気付かされました。

「繋がりの強さ」・・・あなたが最も強い絆で結ばれている人は誰ですか?

家族ですか? 会社の仲間ですか? 先輩や上司ですか? 親兄弟ですか?
この問題は日本社会の未来を大きく変えてしまう問題です。この社会はグローバル化し多様な文化や価値観と如何に共生していくかが日本がそして日本人が直面している大きな課題です。

しかし、私達は身近な人達でさえ繋がることができなくなっています。私達が最も大切にすべきことは何なのでしょう。
適度な孤独は必要ですが、深い孤独は、闇を生みだします。光を生みだすための取り組みに人生のわずかな時間を割くことは難しいでしょうか。

・大切な人達との時間を出来る限り確保すること
・相手の言葉に耳を傾け、心から受け止めること
・欠点ではなく良いところを常に見ようと努力すること
・強制や誘導をやめ、相手の自主性や意志を尊重すること
・時間とエネルギーの何割かを自分以外の人や社会にために差し出すこと
・心から最愛の人達の幸せを願うこと

そして、本気で取り組み表現(行動、言動)すること。

皆が真剣に繋がる。絆を大切にする。
それが無縁社会から血の通った温かみのある組織や社会を創る第一歩だと思います。
それは、チームビルディングとはこの取り組みそのものであり、自身の在り方が問われる課題です。

一般社団法人日本チームビルディング協会 www.jtba.jp
株式会社アクションラーニングソリューションズ www.al-s.co.jp

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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