必見!「最近、泣いてないなぁ」という鈍いオッサン達へ。

2010.01.31

ライフ・ソーシャル

必見!「最近、泣いてないなぁ」という鈍いオッサン達へ。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

ドラマの臭い台詞に、異常に涙もろいオッサンに限って・・・「近頃の若者は・・・」なんて愚痴を肴に酒を飲む。そういう鈍いオッサン達と共有したい動画がある。

2008年「全国学校音楽コンクール・中学校の部」のNHK放送のエンディングで流れた、全国ブロックを勝ち抜いた中学生たちによる奇跡の大合唱である。この合唱を舞台裏で聴いていたアンジェラ・アキは号泣していたという。

意図通りに泣かされるのではなく・・・「なんか泣けてくる」ということが、どんなに大切なことかを教えてくれる映像である。コンクール用に各中学が練習してきたとはいえ、大合唱は、ぶっつけ本番だろうに、この完成度である。この中学生達に、こころの底から拍手喝采である。

「感受性」とは、何かを感じとる力である。
それは、自分の感じたことを信じる力を蓄える基礎力となる。
自分は何者かがアイデンティティーではなく、
自分は何を信じていくかがアイデンティティーであるとしたら
その「感受性」こそが、自分は何者であるかの起点である。

この大合唱の動画が素敵なのは、各中学の合唱の練習で学んだ以上のことが、その場の中学生達の感受性によって、スポンジのように吸収されていく様子が映し出されているからである。同じ歌なのに、同じ合唱なのに、、、微妙な差異があることを身体で感じとり昇華させている点である。

「感受性」とは、わけのわからない力があることを知り、その差異に気づく感覚である。だから、そういう感受性がともなった認識は、キメが細かくなる。そういうキメの細かい認識は、コミュニケーションを豊かにする。おなじ言葉であっても、その表情やトーンを感じれば、相手が何を言わんとしているかが、もっと深く・・・なんかわかってくる。

ビジネスの世界で、いつまでたっても成長できないのは、頭の良し悪しではなく、そんな感受性のあるなしが大きい。努力はしているが、成果の出ない人達の多くは、感受性が鈍い分、いつも何かがズレていたりするものだ。

酒を飲みながら「近頃の若い者は・・・」なんてキメの粗い話ばかりしているオッサンに限って、いまの不景気やボーナス減給を他人のせいにする。大河ドラマ「龍馬伝」の台詞に痺れ、翌日の朝礼で使ったりするのだが・・・滑ることが多い。ズレているのだ。社会という器としての感受性を、自分のものとして勘違いしているところが痛い。

金八先生にならって、そういう鈍いビジネスマンに、下記の詩を贈る。

「自分の感受性くらい」
  茨木のりこ

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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