人材育成三点セット:「経験」「薫陶」「研修」

2010.01.25

組織・人材

人材育成三点セット:「経験」「薫陶」「研修」

川口 雅裕
NPO法人・老いの工学研究所 理事長

人事部門を含め、人材育成を考える際にはこの三点をセットで考えねばなりません。

例えば、誰しも仕事で色々な経験をする訳ですが、その経験から、こういう仕組みになっているのではないか、こうすればうまくいくのではないのか、最も大切なことはこれじゃないのか、といった結論をしっかりと持てるかどうかは人によります。つまり、経験を根拠に法則・原則を結論として導くロジカルシンキングが出来なければ、経験がただの反復い終わってしまいます。経験を成長に変えるためには、薫陶や研修によって経験を論理的に振り返らせなければなりません。

逆に、上司や研修から様々な考え方や理論やフレームを学ぶ訳ですが、そこから現実にはこのように使える、この場面で使ってみよう、こう修正して利用できるかも、といったアイデアや策を考えられるかどうかは人によります。つまり、法則・原則を結論として具体策にブレークダウンしていくロジカルシンキングが出来なければ、それは「使えない学び」として放置されることになります。学びを成長に変えるためには、経験によって学びを論理的に実感させなければなりません。

経験と薫陶と研修のどれが一番大事か、ではなくセット。人材育成とは『経験という根拠をたくさん与え、それらに共通する原理原則もしくはそれらから導かれる大切な考え方を、薫陶や研修を通して結論づけさせること。』または、『薫陶や研修において原理原則もしくは大切な考え方を結論的に習得させ、たくさんの経験をその証拠として実感させていくこと。』と言えるでしょう。人事部門を含め、人材育成を考える際にはこの三点をセットで考えねばなりません。

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川口 雅裕

NPO法人・老いの工学研究所 理事長

「高齢社会、高齢期のライフスタイル」と「組織人事関連(組織開発・人材育成・人事マネジメント・働き方改革など」)をテーマとした講演を行っています。

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