商社マン しんちゃん。 走る! (34)

2010.01.20

営業・マーケティング

商社マン しんちゃん。 走る! (34)

三宅 信一郎
株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

~高度成長からバブルを駆け抜け、さらなる未来へ~ 1980年~90年台にかけての日本経済のバブルが膨れ上がって破裂前後の頃の、筆者の商社マン生活を参考に小説化しました。 今も昔も変わらない営業マンの経験する予想を超えた苦楽物語を、特に若手営業マンに対して捧げる応援メッセージとして書きました。

【前号までのあらすじ】

海外の名だたる企業とビッグビジネスをすることを夢見て、憧れの
総合商社に入社したしんちゃんであったが、配属後すぐに地道な国
内商売の担当になってしまう。 同期が華やかな輸出入ビジネスな
どの海外取引、海外出張などグローバルなビジネスに関与しだし始
めているなか、自分は一体いつまで地味な国内商売に関与し続けな
ければならないのか?  一体いつになったら海外とのビジネスに
携わることができるのか? と、自分の抱いていた夢やあこがれと
現実のギャップに毎日悶々と自問自答する日々が続いていた。
3年目を迎えたある日、海外への飛躍の機会が突然転がりこんで来
た。  ただ、出張を命じられた国は、戦争真っただ中のイスラム
の大国、イランであった。 そこで、日本ではとても経験できそうに
ないビジネス体験をこなして、大口契約をものにしたしんちゃん
であったが、商社の海外ビジネスの楽しさ、苦しさを嫌というほど
味わった出張であった。
これからいよいよ本格的に、入社以来の夢である花の駐在員として
海外に打って出て、海千山千のビジネスマン相手に勝負することに
なる。 ただ、その活躍の場が、世界でも特異な国と認識される
ところで頑張ることになるとは、当のしんちゃんも全く知る由も
なかった。

月日は流れて、数年が経った。

相変わらず華やかな輸出ビジネスではなく、基本は地味な国内商売
あるいは輸入ビジネスに携わっていた宮田であったが、課の中でも
中堅社員としてもうけ頭となって活躍していたのであった。

そういう宮田にも、いよいよ花の海外駐在の話が何かと周囲から話題となって
彼の耳に入ってくるのであった。

というのも、入社以来の彼の上司である関が、二年ほど前からパリの機械部長
というポジションで赴任していた。

任期は3年ということであった。 

通常、商社の場合、直属の上司が赴任した先の駐在先が、その部下にスライド
されて駐在先として回ってくるケースが多かった。

< まー、関のおっさんには、入社以来さんざんがみがみ言われてきたけど、
   まんざら俺の今までの頑張りを認めてへんということはないやろ・・・。

   ということは、パリに駐在っちゅうこともあるな。
  
   エッフェル塔やセーヌ川を眺めながら、フランスを舞台に華やかな
   ビジネスマン生活が始まるんや。                     
   これって、メッチャかっこええやんけ!  >

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三宅 信一郎

株式会社BFCコンサルティング 代表取締役

事業力強化・新規事業開発・創業支援コンサルタント 自動認識基本技術者 (JAISA:(社)日本自動認識システム協会)認定

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