コンサルタントになるには

2007.09.14

組織・人材

コンサルタントになるには

横井 真人
産業能率大学 教授

優れたコンサルタントに必要なのは知力なのか胆力なのか?よくよく考えると大事な要件はある匠と共通していました。

私もかれこれ10年以上コンサルタントの真似事をしていますが、職種としてのコンサルタントはまだまだ人気があるようです。ではどんな能力があればコンサルタントになれるのでしょうか。

以前、所属していたコンサルティング会社の人事制度を作る際に、自分なりのコンペテンシーモデルを構築したことがありました。その前に所属していた大手外資系ファームは40以上の項目があり、プロジェクトによっては発揮できない、または当てはまらない項目も発生し、プロジェクト終了時のコンペテンシー評価の運用が大変困難でした。その後数は大幅削減されましたが、上司が責任を持って見られる数は10個以内だと強く思い、それを目標に考えました。

構築したモデルでは全社員共通が3つ、コンサルタント専用が3つ、管理部門専用が2つ、マネージャー用に3つ、合計すると一番多くても9つのコンペテンシーで社員を見ることに落ち着きました。それらを5つのレベルに分け、職種とポジションによってどのような行動が取れることを期待するかを定義しました。

さて、ファームや個人によって何が大事かの意見は様々でしょうが、私はコンサルタントに必要なコンペテンシーを突き詰めれば、分析力、構想力、顧客(人間関係)マネジメント力の3つに集約されると思います。その理由は単純です。

コンサルプロジェクトの流れは大きく、まず現状分析を通して課題を整理し、次にあるべき姿を描き、最後に現状とのギャップを埋める施策を策定し、実施すると言うステップに整理できます。戦略系ファームでは最初に課題とあるべき姿の仮説を立て、現状分析を通して仮説を検証するという更に高度な流れとなります。この流れをベースに考えると現状分析では分析力が必要となり、あるべき姿を描くには構想力が必要、それに加え全体を通し顧客との信頼関係作りや期待値のすり合わせ、変革運動への巻き込みが必要となります。

私が採用面接をする際に、他業界からの応募者に対してはよく、例え話を使ってコンサルの仕事を説明していました。コンサルは庭師と同じだと。

現状分析をするには「利益率が低い」とか「組織に一体感がない」とか「次の一手は何か」とか獏とした課題を財務・マーケティング・製造、または情報の流れ、はたまた意思決定の方法など様々な会社の構成要素の視点から課題の現象と原因を整理・分析します。一つ一つの構成要素の特徴や落とし穴を熟知していないと、分析結果の信頼性に問題が残ります。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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