日本を素通りする投資マネー。中国、インド大本命。

2009.12.02

経営・マネジメント

日本を素通りする投資マネー。中国、インド大本命。

洲崎 智広

危機感欠如に不況のあおり。すっかり元気がなくなっている日本市場に投資マネーの冷徹な現実が突き付ける。

ある調査会社の調べによると、米国のプライベートエクイティの
資金が、海外にどれだけ投資されたかを示す表によると、
2003年 日本は、14億ドルの投資が米国よりなされている。
同時期の、中国への投資は、わずかに7億4000万ドルである。
が、しかし、2007年になると様相は一変する。
日本は4.8億ドル 中国 18.9憶ドル そしてインドが20億ドル
である。

完全な逆転である。

日本のマクロの動きを見ても確かに当然かもしれない。
少子高齢化=労働力の減少=購買力の減少=マーケットの縮小、である。
一言でいえば、魅力なし。

仕方のないことだが、人口比率から考えても起業家の数が
当然、中国、インドに比べ少ない。きらり、と光る企業の数が
少ない、すなわち投資の魅力がない、ということである。

では、海外で活躍すれば良いではないか、という指摘があるが、
感覚的にもわかるが、日本人は一般に海外に弱い。
お隣アジアの中国市場ですら、欧米と韓国企業が群を抜いていて、
明らかに追い抜かれている。日本企業の活躍は、ニュースでは
象徴的に報道されているが、車、携帯電話(家電一般)、ゲーム、
多くの市場は、欧米または韓国もしくは自国の中国企業で占めて
しまうのである。
日本の企業は、案外、見当たらない。

では活路はないか、というとそうではない。
社会インフラの部分、例えば、上下水道の設備技術、浄化技術、
環境関連の設備技術、これは、十分海外で通用できるもので、しかも、
ひと世代古いのでも十分間に合うのである。

でもこの説明は、結局、投資資金は、他のアジア諸国に流れていくことを
意味し、また、社会インフラが行えるのは大企業であるということ。
いずれにせよ、企業に投資する資金は、日本には落ちてこない。

起業家の数が圧倒的に少ない日本。今の未曾有の不況で、さらにその減少に
拍車がかかる。
日本におけるアントレナーシップの欠如、これが、投資マネーを遠ざける最大の
要因になっていないだろうか。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。