「NIKEフラッグシップストア原宿」が目指す、店舗2.0

2009.12.01

経営・マネジメント

「NIKEフラッグシップストア原宿」が目指す、店舗2.0

石塚 しのぶ
ダイナ・サーチ、インク 代表

「ココカラ変ワル」をキーワードに創造されたというNIKE原宿ストアで、ウェブ時代の店舗、「店舗2.0」への挑戦を垣間見た!

つい先週まで日本に出張に行っていたのだが、日本を離れるという最終日に、急ぎ足で、オープンしたばかりの「NIKEフラッグシップストア原宿」に行ってきた。

ウェブサイトによれば、「ココカラ変ワル」をキーワードにしたこの店舗。実際に行ってみて納得したが、なるほど、「ただのショップではない」

合計1,000平米近い広々とした店舗は、一階がランニング、二階がNIKEiD、三階がフットボールと、それぞれが確固たるテーマに沿って、心躍る売り場づくりを実現している。

駆け足で店舗を一巡してみて、真っ先に頭に浮かんできたのは、「個」の店舗ということだ。人とテクノロジーを駆使して、「個」の体験、「個」と「個」のインタラクションに徹底した焦点をあてたストア。最近、私は、「ウェブ時代に、店舗はどう変わるのか」という疑問をもって、商品カテゴリーや業態を問わず、日米様々な店舗を観察して回っているのだが、共通の傾向として目に着き始めているのが、「個」の店舗、ということなのである。

例えば、ナイキ原宿では、ショッパーが実際にランニングをしながら、自分にあった一足を選べるという「RUNNER’S STUDIO」や、シューズやバッグなど、カスタムメイドの商品をデザインできる「NIKEiD STUDIO」、ありとあらゆるフットボール・グッズを取り揃え、刺繍や名前のプリントまでしてくれるという「NIKE BOOTROOM」など、お客様の「個」と向き合う仕掛けを満載している。しかも、各階には、顧客のいろいろな相談に乗ってくれる専任コンサルタントがいるという。言葉はやや古臭いかもしれないが、まさに、「ハイテック、ハイタッチ」のコンセプトを絵に描いたようなストアなのである。

同様なコンセプトは、業界や業種の垣根を越えて、様々な形で具現化されている。例えば、『「打倒スタバ」を目論む「個」の戦略(2009年10月6日付け)』で紹介した、インテリゲンツィア・コーヒー・アンド・ティー(ロサンゼルス)は、顧客とバリスタの「個」の触れ合いを付加価値として位置付けたコーヒー・ショップだ。ここでは、各バリスタが担当カウンターをもち、顧客一人ひとりを個別に接客する。顧客の好みやムードなどを聞きながら、ドリンクやお菓子などを薦めてくれるのだ。

また、つい最近、日本では、ユニクロ(ジーユー)やイオンがジーンズを巡って熾烈な価格競争を繰り広げているようだが、その一方で、アメリカではフルカスタムのジーンズ・ショップなどもお目見えしている。生地や型、ポケットの形などディテールが選べ、ぴったりと自分の身体にあったジーンズを仕立ててくれる。気になるお値段は400ドルくらいだ。

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石塚 しのぶ

ダイナ・サーチ、インク 代表

南カリフォルニア大学修士課程卒業。米国企業でNASAプロジェクトなどに関わり経験を積んだ後、82年にダイナ・サーチ、インクを設立。以来、ロサンゼルスを拠点に、日米間ビジネスのコンサルティング業に従事している。著書に「未来企業は共に夢を見る~コア・バリュー経営~」(2013年3月発売)、「ザッポスの奇跡 改訂版 - アマゾンが屈した史上最強の新経営戦略」、「顧客の時代がやってきた!売れる仕組みに革命が起きる」などがある。

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