他者には、その他者しかわからない事情がある。

2009.11.08

仕事術

他者には、その他者しかわからない事情がある。

寺西 隆行
(株)Z会

仕事の指示は、自身とその部下にしかできません。 直接関係のない人、部署に対し、「動きが遅い」「部署目標をちっとも遂行していない」と一方的に責めるように迫る権利なんて誰にもありません。 加えて、他者には、その他者にしかわからない事情があるんです。

◆本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

Webのお仕事をしていると、システム担当者との打ち合わせが頻繁にあります。

WebとかITだとかで、Webもシステムも一括りにされがちですが、全然専門領域が違います(分かる人は「そんなんアタリマエじゃん」と思うでしょうが…)。
システム担当の中には、Web関係の知識がまったくの素人の人もたくさんいます。
一方、Webの担当者は、システム関係の知識に疎い人もたくさんいます。
僕もWeb担当に着任したとき(約6年前)には、リナックスだとかアパッチだとか、なによその単語、なんのことについて話しているの?なーんて感じでしたから。

閑話休題。

担当する仕事には、他者には分からない負荷というものがかならずあります。
システム担当として長年働いていた知人は、

「世の中の人は、Webサイトが動いていることをフツウと思っているでしょうけど、裏では様々なセキュリティ対策を日夜施したり、動作に故障がないか確かめたり、故障があってもバックアップなどを整え、“動かないようにしないこと”と“故障箇所を素早くなおすこと”を並行して行ったり…と、粛々と動いています。システム周りの“サイト管理”なんてなんで人いるの?今普通に動いているんだったらほっといてもいいじゃん、なんて意見は、大間違いの、状況を把握しようとしない馬鹿野郎です」

と話していました。ごもっともですよね。

しかしシステム担当を経験していなくて、外から眺めているだけ、仕事を把握しようと努めない人は「なんで復旧にそんな時間がかかるんだよ!」とか、上記発言中の馬鹿野郎と同じ、勝手な意見を言うものです。

これが「仕事」だけではなく、「仕事を担当する組織」に対する目線、となると、さらにやっかいです。
またシステム部署を例に出して恐縮ですが…
たとえば「○○をやってちょうだい」というシステム部署への指示を出したときに、システム部署から「1週間はみてください」と言われます。
担当現場によっては「ちょ、ちょっと待ってよ!こんな簡単な作業するのに1週間?冗談じゃない、もっと早くやれよ!」みたいな言い方をする人もいます。

しかし、他に優先順位の高い仕事を抱えていればすぐにはできません。
同じレベルの“簡単な仕事”を他部署からも数多く引き受けていれば、これもできません。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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