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百貨店ITリニューアルの勧め

坂口 昌章
有限会社シナジープランニング 代表取締役
3.6
1,805
2007年9月4日 10:44

東京、大阪を中心に、百貨店の大型リニューアル投資が計画されている。しかし、一般的なリニューアル効果は、半年程度しか持続しない。
むしろ、「検索できる百貨店」を実現するためのITリニューアルが必要ではないか。

1.百貨店のリニューアル投資の活発化
 各百貨店東京大阪の都心において、久々に積極的なリニューアル投資を行っている。日本経済新聞(2007年3月3日付)によると、西武百貨店渋谷店は80億円かけてこの3月に、高島屋新宿店は130億円かけて4月にリニューアルオープンする。京王百貨店も時期は未定だが80億円かけてリニューアルを計画。西武百貨店池袋店も08年から全面改装の予定。東武百貨店池袋店は11年までに90億円で全面リニューアルを行う。伊勢丹新宿本店も150億円かけて08年秋に全面リニューアルオープンの予定だ。
 大阪では、三越が400億円かけて大阪再進出を果たす11年に向けて、大型投資が進む。11年には、阪急百貨店梅田本店は総額600億円を投じる建て替えが終了。同11年の大丸梅田店も増床リニューアルに200~250億円を投じる。近鉄百貨店阿倍野本店も新館建設や本館改装で09年春までに総額150億円の投資を予定。高島屋大阪店も09年秋を目指して新館建設と改装に340億円を投資する。
 消費不況も底を打ち、デフレも回復の兆しを見せている。不動産価格も上昇に転じるなど、ようやく消費不況の長いトンネルを抜け出ようとしている。遊休資産の売却やリストラを続けながら、じっと我慢していた百貨店各社だが、ようやく改装の資金手当てが可能になったのである。
 ここ10年ほど、百貨店のリニューアルと言えば、外資ブランドショップの導入に限定されていた。外資ブランドショップは、百貨店出店以外にも次々と都心の一等立地に路面店をオープンしている。郊外立地には次々と大型ショッピングセンターがオープンし、新しい専門店集積が出現している。顧客の流れは明らかに変わっており、このまま何もしなければ百貨店は確実に地盤沈下していくだろう。
 百貨店のリニューアルは競合店対策という意味で連鎖的に起きる。ここ数年間は百貨店のリニューアルが次々と続き、久しぶりに百貨店が注目を集めることになるだろう。
 問題はリニューアルの目玉である。80年代の百貨店リニューアルはDCブランドの導入だった。90年代はインポートブランド。環境整備だけでなぐ新しい商品MDを導入することで売上アップを図ってきたのである。しかし、2000年の百貨店リニューアルの目玉は簡単には見つからない。

2.持続しないリニューアル効果
 昨年、私は某百貨店からリニューアルの相談を受けた。久しぶりに都心の百貨店をじっくり観た感想は「全てそこそこ」というものだった。商品の品質やレベルは低くない。よく見れば、良い商品、欲しい商品も見つかる。VMDもマニュアル通りにきれいに出来ている。販売員の接客もマニュアル通り。ケチをつけるところはないが、感動することもない。徹底した競合他店と差別化も見られない。

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