東大に合格する人は、他の人と何が違うか?

2009.10.09

ライフ・ソーシャル

東大に合格する人は、他の人と何が違うか?

寺西 隆行
(株)Z会

「教育」や「受験対策」などのサービスを提供するZ会の一社員の私見として。 日経新聞夕刊の話題と、ドラッカーの言にヒントを得、一つ「大きな違い」について触れさせていただきました。

◆本投稿記事は、毎日更新中のZ会ブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

10月8日の日経新聞夕刊、「明日への話題」にて、東京大学北岡伸一教授のコラムが掲載されていました。
タイトルは「新米教師のころ」。

彼が1976年に大学院を終了し、ある大学で教えることになりました。
当該大学の総長に言われた言葉。

===(以下、引用)===

「いいか、本郷(東大)には教育はない。教師が自分の好きなことを話せば学生は勝手に勉強する。ここではそうはいかない。おだてたり、脅したりして勉強させなきゃならん。そのためにお前に給料を払ってるんだ。分かったな」

===(引用終了)===

最難関大学を志向し、実際に合格した大学生(ここでは東大生)の学習姿勢と他大学生との一つの違いを表した言葉だなあ…と思いました。

偉人の指摘を借ります。

自らを社会生態学者と名乗り、経営学者でもあったピーター・ドラッカーは、著書『明日を支配するもの』の第6章「自らをマネジメントする」の中で、自らの強みを捉え、伸ばすために

・自らの仕事の仕方
・自らの学び方
・自らの価値

を把握することが大切、と述べています。
もちろん、これらは「人によって違う」ということが前提としてあるわけですが。

さらに補足すると、これからの変化が激しく、かつ、(平均寿命が長くなったため)労働年数が長くなることが予想される社会を生き抜く(かつ、幸せなものにする)ために、これらを把握した上で「自らをマネジメントする」能力が必要、とも述べてます。

受験勉強に置き換えるなら

仕事の仕方


限りある勉強時間の中で、どのように各教科に費やす時間の配分をするか、1週間の勉強計画をどのようにするか。

学び方


授業や書籍などで得た知識を、どのように自らに蓄え、かつ、発展的に昇華させ「次の一歩」につなげられる(すなわち、応用問題に対応できるようになる)か。

自らの価値


各教科の得意不得意は何か。それを知った上で、合格点に達するまでの各教科の点数配分の目標(戦略的目標)はどこか。

ということになるでしょうか。

とくに、東大合格者を見ていると、最後の「自らの価値」の認知と戦略的目標設定を必ずといって良いほどやっているなあ…と感じます。

最初に引用した文章と合わせ、話を「学び方」に絞ります。

北岡教授のコラムで引用された総長の言葉を見るとよくわかりますが、「最難関大学に通う学生」は「学び方」をよく身につけています。
逆に言えば、「学び方」を身につけなければ、なかなか最難関大学への合格切符は得られない、ということでもあります。

次のページ過剰に1を重視すると、2の段階に進めない自分が形成され...

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寺西 隆行

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文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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