アサーティブな“No”を表明して仕事を発展させる

2009.10.02

仕事術

アサーティブな“No”を表明して仕事を発展させる

山岡 仁美

あなたは“No”が言えていますか。 もちろん、面倒なことは常に断ってください と奨励をしているのではありません。 “Yes”ばかりでは、仕事が前に進まない、 そのためには必要なときに“No”が言えるということは、ビジネスパーソンには不可欠です。

例えば、仕事において、上司の指示はミッションのひとつなので、
もちろん前向きに取り組むべきです。
しかし、中には、物理的に不可能な納期指定や、
どう考えてもプライオリティが低いもの、極めて特殊なケース、
また時には指示そのものが突発的や断片的で、
仕事の効率を下げることに繋がるものもあります。

そのような時、たいていの人は次の2つのいずれかを選択していることが多いものです。

●上司の指示なので、しぶしぶ取り掛かる
●指示は承ったものの、その後の取り掛かり・進捗は自分で適宜判断する

この2点は、結果として大きな問題点が発生します。

前者は、同時進行中の仕事に滞りが発生し、
下手をすると自分自身がオーバーフローになるどころか、
チームメンバーや同僚に負荷をかけることになるかもしれません。

後者は、上司は「指示内容を進めている」と解釈しているので、
期待通りの進捗でなかった場合、
後々「勝手に自己判断してるな」「当てにしていたのに、ちゃんとやっていない」
と評価も下がり信頼もダウンすることになる可能性があります。

では、どのように“No”を表明しましょうか。こんなパターンが多いのではないでしょうか。

●無理ですよ。今○○の件で、一杯ですから。
●ん~、ちょっと今は難しいと思います。

断る言葉になっていますので、一見“No”ができたと思うかもしれません。
でも“No”はその場を回避するだけでは、自分でシャッターを下ろしただけ。
アサーティブのポイントの「Win-Win」にも、特徴の「発展的」になりません。

では、どうしたらいいでしょうか。
アサーティブ的模範の“No”をいくつか挙げてみます。

●今は○○の件で、取り掛かれませんが、それが終わってからはいかがですか?
●私は○○の件で、詰まってますが、私から××さんにお願いできますよ。
●今日は○○の状態でできません。次回からはもっと早めに言ってください。
●今は○○の準備で手一杯なのでできませんが、データをお貸しするならできますよ。

大きな違いにお気づきでしょうか。
「事実に基づいた相手と共通認識できる明確な理由」
「選択肢や代替案・条件などの提案」
という“No”に大きな2つのプラスアルファが付いているのです。

一言で言い切るのも、丁重に柔らかく言うのも、断り方のひとつではありますが、
言い切るでは相手を怒らせてしまったり、柔らかくでは相手を惑わせてしまうことにもなり、
結果として不快感が生まれます。
それが度重なるとと信頼関係やチームワークに影響することもあります。

そして、アサーティブな“No”は相手のためだけではなく、自分自身が効果的に仕事を進める大きな武器になるのです。

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