1億本突破!「い・ろ・は・す」はナゼ売れるのか?

2009.09.03

営業・マーケティング

1億本突破!「い・ろ・は・す」はナゼ売れるのか?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コカ・コーラシステムが販売するミネラルウォーターが絶好調で売れているという。確かに特徴のある商品だが、ナゼ、それほどまでに売れるのか?

9月2日、新聞のカラー全面で『あなたと「い・ろ・は・す」が世界を変えはじめました』と題する広告が掲載された。それは同製品の販売1億本突破のお礼であり、「環境にいい」というポジショニングを裏付ける、CO2の削減効果の算出の報告でもあった。

同製品の売れ行きはメディアも報じている。
<「い・ろ・は・す」絶好調!発売後97日で1億本を突破(東京ウォーカー)>
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20090902-00000002-tkwalk-ent

ナゼ、これほどまでに売れるのか?環境にいいから?・・・それだけで売れるほど単純なものではない。

はじめに外部環境の影響を考えてみよう。CO2の削減に対する世界的な取り組みが進行している。社会的にもまさに継続性のある環境不可の低い生活をしようという、商品名の由来にもなっているLOHASに注目が集まり、実践も進んでいる。

ミネラルウォーターの市場を考えてみよう。取水地を国内とする製品以外にも、海外勢が多数存在する。取水地から日本まで輸送するために消費される環境負荷「ウォーターマイレージ」を考えれば、国内勢は圧倒的に環境アピール効果が高い。
国内勢の競合に対しても、「い・ろ・は・す」は独自の技術でわずか12gという省資源ペットボトルを実現している。
つまり、エコやLOHASを訴求するには、自社の技術を活かして絶対的に有利なポジションを獲得していることがわかる。

しかし、環境に適応したいい商品(Product)であるというだけで売れるほど世の中は甘くはない。
売れている理由は、コカ・コーラシステムの圧倒的な販売力がバックボーンとなっていることは間違いない。コカ・コーラの力の源泉は、全国に約100万台を展開する自動販売機。街に出れば、そこかしこにあるコカ・コーラの自販機に数フェイス並んでいる「い・ろ・は・す」が目につくだろう。マーケティングミックスの4つのP(Product・Price・Place・Promotion)の一つである、Praise(販路)の強さが売れている理由の一つだ。

価格的には特に安売りをしているわけではない。しかし、上記リンク先の東京ウォーカーの記事に購入者の声が載っている。「520mlという容量にお得感がある」と、競合より増量して割安感で勝負しているのである。Price(価格)も売れる原動力になっている。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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