人が育つコミュニケーション(新入社員編)

2009.07.16

組織・人材

人が育つコミュニケーション(新入社員編)

新田 龍
株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

長かった研修も終わり、新入社員が現場配属になるタイミング。受け容れる側としては、どんなコミュニケーションを意識すればいいのでしょうか。

少し前まで「最近の若者は・・・」と言われていたかと思いきや、今は私が言っている側。 古代エジプト中期王朝時代の一書役の手録中(約4,000年前)にも「まったく、最近の若者は…」という意味の記述があるそうですね。 今回は皆さんの身近な「最近の若者」代表、「新入社員」についてのお話です。

本年度の新卒は「ミニマム世代」などと言われ、「縛られたくない」「傷つきたくない」「損したくない」といった特徴が喧伝されています。 では我々は、どんなコミュニケーションを意識していけばいいんでしょうか。

●社内コミュニケーションは非常に重要

入社半年を経過した新卒社員の約6割が「社内コミュニケーションに問題あり」と感じているとの調査結果が明らかになっています(ITmedia調べ・08年8月7日)。 

皆さん、普段の社内コミュニケーションを思い返してみてください。 ちゃんとした心遣いをもって新入社員と接してますか? 「アタマでは分かっていても…」と思いつつ、現場ではむしろこんな精神論が語られることのほうが多いかも知れませんね。

「気合が足りないんだよ、気合が!」
「四の五の言わず、とにかくやりゃいいんだ!」
「俺の新入社員の頃に比べたら、全然大したことないぞ!」

個人的に、精神論は好きです(笑)。 マネジメント層の本音として、私自身どこかで思わず言っているかも・・・ ただやはり、我々は彼らの成長を願い、せっかく時間をかけて指導していくわけですから、キチンと意図が伝わり、実効性と再現可能性があるアドバイスをすべきでしょう。

●新入社員の成長に有効なコミュニケーションとは?

私は、そのキーは「認知」にあると考えています。 これはマズローの欲求段階説における、上から2段目の「承認」と同じものとお考えください。

就活~新入社員の頃、人は往々にして自信をなくしているものです。 すなわち、「自分にアピールできる強みなんてない」「社会で通用するのだろうか…」など。
そんな彼らが自信を得るきっかけになるのが「認知」の力です。 
 
「君の存在は十分、部署の力になっているよ!」
「難しい仕事だったが、よくやってくれたね!」
「組織のみんなも、君の頑張りを認めているよ!」

そんな風に認知され、承認され、評価されることがどれだけ「根拠ある自信」に繋がるか。そして「自分にはできる!」という感覚を持てることが、どれだけ仕事の原動力になるか。 ぜひ想像してみてください。 

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新田 龍

新田 龍

株式会社ヴィベアータ、株式会社就活総合研究所 代表取締役

キャリア教育プロデューサー ブラック企業アナリスト 大学講師 HRMストラテジーコンサルタント JCDA認定キャリアデベロップメントアドバイザー 日本キャリア開発協会、東京商工会議所会員 早稲田大学卒業後、東証一部上場企業で経営企画、事業企画を経験。 その後人材サービス大手企業にてコンサルタントおよび人事採用担当等を歴任。 現在は人事戦略とキャリア教育に関するコンサルティング会社を2社経営。

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