ブランディング成功事例・・・ライオンの『キレイキレイ』

2009.06.26

営業・マーケティング

ブランディング成功事例・・・ライオンの『キレイキレイ』

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

新型インフルエンザで大騒ぎした今年の冬。 現在はいったん収まってますが、 秋以降、再び感染が広がる可能性があるため、 予断を許しません。 さて、家庭でできる、 インフルエンザ感染予防策のひとつが 「正しい手洗いの励行」 ですね。

おかげで石鹸やハンドソープなどの売上が
伸びたようですが、ハンドソープの

No.1ブランド

はなんだかご存知ですか。

それは、ライオンの

『キレイキレイ』

です。

『キレイキレイ』は、1997年に登場。

わずか3年後の2000年にトップシェア
(金額ベースでの市場シェアは、現在40%超)
を獲得し、以降も王座を堅持しています。

売上高は、2007年に100億円を突破しています。
(ライオンのアニュアルレポート2007、2008より)

キレイキレイが登場するまでのハンドソープ
といえば、「薬用ミューズ」の独壇場でした。

ところが、キレイキレイがわずか数年で、
ハンドソープのトップシェアを奪い、
その地位を磐石なものにした背景には

・絶妙なネーミング
・物語(ストーリー)性

の2点があると言えそうです。

<絶妙なネーミング>

「キレイキレイ」というネーミングは、
帰宅後、お母さんが小さい子どもに、

「おてて、キレイキレイにしましょ!」

と話しかけるところから取ったもの。

ハンドソープのメインターゲットが、
小さい子どもを持つ主婦層であることを考えると、
実にわかりやすく、かつ親しみやすさを感じさせる
ネーミングでした。

なにしろ、しょっちゅう「キレイキレイ」と
自分で口にしている言葉ですからね。

<物語(ストーリー)性>

同製品は、発売当初から、
イラストレーター上田三根子氏が描く、

「キレイキレイファミリー」

すなわち

・キレイママ
・よしおくん
・よしこちゃん

の3人のキャラクターを軸とした、
パッケージデザインやコミュニケーション施策
が展開され、独自の世界観を生み出していました。

また、子どもたちが
自主的に手を洗ってくれるように、

「キレイキレイの絵本」
「キレイキレイ手洗いの歌」

などの啓蒙的なコンテンツを作成。

購入者である母親の好意や購入意欲を
高めることに成功したんですね。

ちなみに、パッケージデザインには
細かい工夫が凝らされているそうです。

(日経デザイン、July 2009)

同製品のハンドソープには、
液状タイプと泡タイプとの2種類があります。

汚れ落ちの強い液状タイプは、
外遊びの手洗いに向いているため、
ボトルに描かれたよしおくんは
野球のユニフォームを着ています。

一方、軽い汚れに向く泡タイプでは、
よしおくんはスリッパを履いており、
室内にいることを示しています。

また妹のよしこちゃんには、
ぬいぐるみを持たせていますが、
これは、ぬいぐるみで遊んだ後も、
手洗いが必要なことをさりげなく
伝えているのだそうです。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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