「人を通じて事を成す」のがマネジャーの仕事

2009.05.02

組織・人材

「人を通じて事を成す」のがマネジャーの仕事

小倉 広

誰もがなってみて悩む「マネジャー」という肩書き。 「もっと言う通りに動いてくれたら…」とメンバーにサジを投げてみても、それを、まとめるのがあなたの仕事なのです。 幅広く求められるマネージャーの仕事。 一緒に見ていきましょう。

初めてマネジャーになった人は、誰もがこう思うことでしょう。

「そもそもマネジャーは何をすればいいの?」

「今までのプレイヤーとどこがどう違うの?」

そんな方たちに、私なら一言でこう答えます。

「“人を通じて事を成す”のが、マネジャーの仕事です」

言い換えるなら、自分一人が走り回って目標を達成するのではなく、多くの他人に動いてもらって初めて目標が達成できる仕事です。
 
プレイヤーだった時代は、与えられた自分の目標を達成すれば、それで合格だったでしょう。苦しいときでも、自分が頑張りさえすれば何とかなったのです。

ところがマネジャーとしてメンバーを引き受け、彼ら全員の成果に責任を持つ
立場になると、状況は一変します。

「なぜ、言う通りに動いてくれないのだろう?」

「なぜ、もっと頑張れないのだろう?」

「なぜ、やる気がないのだろう?」

「こんなのやってられない!」

思い通りにコトが進まず、たいていのマネジャーはショックを受けます。
そして、焦りや不安を抱えながらメンバーに声高に命令していくのです。

動きの悪いメンバーを見ては、次から次へと指示を出します。

しかし残念ながら、これでは決して人は動いてくれません。
では、人を動かす、動いてもらうためには、どうすればいいのでしょう?

答えは一つ。
『相手を変えようとするのではなく、まずは自分が変わることです。』

マネジャーは、「相手のために自分は何ができるのか?」を考えて行動していきます。

たとえば、いつも指示待ちのメンバーに

「なんで進めておかないんだ」

「もっと自分から動け」

と言ってもうまくいきません。メンバーにしてみれば、

「お前のやり方が悪い。だから変われ」

と、否定されているような気持ちになるからです。これでは信頼関係を築くこと
もむずかしくなります。

そうではなく、相手がもっと自発的に動けるようになるために、自分は何ができるかということを考え、具体的な方法を用いてメンバーと一緒に解決していくのが、マネジャーの仕事です。

このような場合は、マネジャーが進行チェックに一緒に付き合い、メンバーと二人でゴールを共有するといいでしょう。「他に何を進めておけばいいかな?」などと声をかけ、小さな成功を褒めていきます。

いきなり相手に「変われ」と命令してはいけないのです。

相手が動かないと思ったら、相手を指さして責めたり、無理に変えようとしてもうまくいきません。マネジャーは、相手ではなく自分を指さして、まずは自分が変わることでメンバーを動かし、大きな目標を達成していくのです。

また、これは時間や仕事量、ノルマなどの問題にも当てはまります。厳しいチーム目標を上から命じられたとき、「目標が高すぎる」などと上を指さしているようではダメです。

「達成するために、自分はどんなことができるか?」

を考えることから、マネジャーの本当の仕事が始まるのです。

このように「自分を指さす」ことによってメンバーと一緒にゴールを目指すのが、マネジャーの仕事です。

このスタートラインに立ってこそ、初めて”人を通じて”事を成すことができ、
マネジャーの仕事の醍醐味を味わうこともできるのです。

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