ネーミングで、とりかえしのつかない一歩を踏み出さないために。

2009.04.21

営業・マーケティング

ネーミングで、とりかえしのつかない一歩を踏み出さないために。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」と詠んだのは俵万智さんである。 社会全体に、とりかえしのつかない第一歩を踏み出したようなネーミングが氾濫していると感じているのは、どうも私だけではないようだ。

結婚すること。子供が生まれること。
それは、自分らしい暮らしを延長することではない。
むしろ、社会を受け入れること。
客観的に言えば、自分の暮らしの中に、他人を入れること。
「自分らしく生きる」ことを、少しあきらめることでもある。

そうして生まれてきた子供の名前には、「自分らしく生きる」ことを託すのではなく、一刻も早く、広く社会に認められる人間になれと託すのが全うではないかと考える。

昨年より、おもしろいほどネーミングの仕事が増えた。
会社の名前や、施設の名前や、媒体の名前や、マンションのブランド名や・・・いろんな名付けをする機会に恵まれている。
そこで、常に考えていることは、「企業らしさ」を修飾する形容詞を探し出したらキリがないということ。企業都合の独り善がりな造語やカタカナは、山盛り出てきて迷うだけである。

だから、極力、社会に向き合うことを是として、言葉を抽出する。
「自分らしく生きる」ための形容詞を捨てて、残るものから名付けをすると、意外と上手く行く。総意形成がしやすくなる。

名前は、
みんなに読まれて、
みんなに呼ばれて、
そのヒトになっていく。

だから

読みやすく 覚えやすくて 感じよく 平凡すぎず 非凡すぎぬ名

が一番。俵万智さんの言うとおりである。

※参考「DQNネーム」

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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