ライブドア事件の本当の罪は、どこにあるのか?

2009.04.07

ライフ・ソーシャル

ライブドア事件の本当の罪は、どこにあるのか?

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

ホリエモンこと堀江貴文元ライブドア社長が先週2日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で講演し、激しい検察批判を展開したというニュースが流れた。

外国特派員の前で、ホリエモン自身がライブドア事件に関して語り「経営的、道義的責任は感じるが、それで刑務所に放り込まれるのかというと、まったく別。無罪を確信している。検察庁の暴走と思う」と訴えたという。

一審・二審で実刑判決を受けたし、黙って反省している様子を見せていても判決内容に情状酌量が無いことが明らかになったから、沈黙を破って自ら事件内容についても発言し始めたというところだろう。

そこで、ホリエモンの気になるひと言があった。
「彼らは『巨悪を摘発する』と言っているが、私からみると『巨悪』ではなくて、『ションベン刑』といったたぐいの事件を集中的に捜査、起訴しているようにしか見えない。私や小沢さんの秘書がすごく悪いことをしているから捕まえるのではなく、『彼らが有名だから』捕まえるんだと思う。無名な人が100キロオーバーで高速道路を走っても捕まえなくても、堀江や秘書が1キロオーバーで運転していたら捕まえる、そういう話です」と言った・・・。

そうなのだ・・・

ライブドア事件は、
ホリエモンいわく『ションベン刑』だったのだ。

沈黙を破る活動の一環として『徹底抗戦』(集英社)という告発本も出版している。その中で、検察等に睨まれる発端となったニッポン放送買収について、このように自らが語っている。

『私はニッポン放送の社内をどうにかしようとも思っていなかったし、リストラをするつもりも全くなかった。実際、ライブドアがこれまでに買収した会社でリストラを行ったことはない。それは当時も言っていたが、マスコミにはスルーされていた。

そもそもニッポン放送のことはフジテレビの持株会社としてしか見ておらず、ニッポン放送の事業そのものにはあまり関心はなかった。もちろんネット事業とシナジーがある部分は積極的に仕掛けていくし、経費など共通化できるものは共通化したいと思っていたが、それ以上でもそれ以下でもなかった』

『こちらとしてはニッポン放送やらフジテレビやらにドカドカ乗り込んでいって、やれリストラだ、などとやるつもりは全くなかった。だけど向こう はそうは思っていない。狙いがフジテレビのコンテンツだとか、全くピントのずれた見解を示されたりもしたので、困ってしまった。
実を言うと、テレビ放送にライブドアのURLを貼り付けるのが、私がしたかった唯一のこと。なのに、そのことを伝えると「え? そんなこと?」という風で完全に相手にされなかった。「あいつは裏の野望を隠している」みたいな穿った見方をされた。ネット業界の人もその本質をわかっている人は少なかった』

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中村 修治

有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役

昭和30年代後半、近江商人発祥の地で産まれる。立命館大学経済学部を卒業後、大手プロダクションへ入社。1994年に、企画会社ペーパーカンパニーを設立する。 その後、年間150本近い企画書を夜な夜な書く生活を続けるうちに覚醒。たくさんの広告代理店やたくさんの企業の皆様と酔狂な関係を築き、皆様のお陰を持ちまして、現在に至る。そんな「全身企画屋」である。

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