シックスシグマ的なプロジェクト設計手法について思うこと・・・

2009.03.21

経営・マネジメント

シックスシグマ的なプロジェクト設計手法について思うこと・・・

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

GEでは、シックスシグマ的なプロジェクト設計手法が使われます。私の印象としては、標準化はいいことだけど、どうもね・・・、と思うこともあります。

 GE、ゼネラルエレクトリックさんは、言わずと知れた超大企業ですよね。この会社は本当にすごくて、プロジェクトを設計する手法もしっかり標準化されています。

 GEではプロジェクト管理についての社内資格を出していて、黒帯、つまり達人にあたるブラックベルト。その下が緑帯、グリーンベルトといった感じでランク分けがされています。

 空手みたいですね・・・。

 で、標準化は素晴らしいのですが、そういうノウハウは固いよなあ・・・、と思います。

 なんでも、その標準にあてはめようとするところからはじまりますね。当たり前ですけど。まさに標準化ですからね。

 プロジェクト設計についても、フレームワークにしたがって、きっちりきっちりプロセスに切っていくのですが、全体感よりも、部分部分のIPOにこだわるように見える・・・。いや、これは使う側のスキルの問題かもしれませんけど。

 あと、IPOというのは、インプット、プロセス、アウトプットの考え方です。

 部分部分のIPOを一連の流れとして捉えて、しっかり全体とのつながりで考えられるといいのですが、どうしても部分フォーカスで考えて、前工程とのつながりだけで考えてしまう。

 私の感覚だと、前前工程とのつながりがゆるくなって、なんか違和感を感じる。

 でもまあ、完璧に前工程からのインプットを踏まえた工程のあり方、アウトプットを考えられれば本当はそれでいいはずなんですけどね。

 でも、多分、それは無理ですよね・・・。

 物事を分解することはすごく大事なのですが、部分にしていく時に、全体との関係性を落としてしまうことは多々あります。

 落としてしまうことが多々あることを自覚した上で、部分のIPOを考えていくという習慣をつけていればいいのかもしれませんが、あんまりそういう概念モデルになっていない。

 あと気になるのは、あんまりプロジェクトのWHYに留意しないフレームになっている。私は一番大事なのは、プロジェクトをなぜやるの?というところだと思います。

 そのなぜ?ということと、プロジェクトの目的のつながりが、プロジェクト組成の際に一番大事だと思っています。

 でも、いきなり目的が書いてあって、定性/定量目標が書かれていたりする。標準化するなら、プロジェクトのWHYとそのGOの根拠をかっちり書くようにすればいいと思うんですけどね。

 そのプロジェクトのWHYが、1つ1つのプロセスのIPOを規定していくと私は思います。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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