為末 大選手のブランドポジショニング

2009.03.03

営業・マーケティング

為末 大選手のブランドポジショニング

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

‘侍ハードラー’の異名を持つ為末 大選手。 為末さんは、2012年のロンドンオリンピックへの参戦を 表明していますが、競技活動以外にも、 2007年には東京・丸の内の公道を封鎖して 「東京ストリート陸上」 を企画するなど、 陸上競技の普及に力を注いでいます。

「投資家」としても有名ですね。

為末さんは、まさにサムライ!

陸上の賞金だけで生活している海外のトップアスリート
の厳しさを見た為末さんは、企業で働きながらの、
恵まれたアスリート生活では彼らと勝負できないと考えて、
大阪ガスを辞め、2003年にプロ選手として独立。

自ら自分を厳しい環境に追い込んだのです。

独立当時、為末さんは既に、

「陸上競技種目では日本人初のメダル獲得」

という実績を持っていました。

ところが、ある企業にスポンサーのお願いに
行ったところ、結果は「ゼロ円」でした。

為末さんは、
日本でプロとしてやっていくには、
競技能力だけでなく、何かプラスアルファがないと
生き残れないことを痛感したそうです。

そこで、為末さんは、

「世の中がスポーツ選手に求めているのは何か」

を以下の2軸のマトリックスで分析してみました。

・横軸:感性的⇔論理的
・縦軸:エンタテイナー型⇔マイスター(職人)型

この2つの軸で有名スポーツ選手を分類すると、

・感性的xエンタテイナー型は、長島茂雄さん
・感性的xマイスター型は、王貞治さん
・論理的xマイスター型は、野村克也さん
・論理型xエンタテイナー型は、・・・(いない)

となります。

このマトリックス分析に基づき、
為末さんは、空白地帯となっていた

論理的xエンタテイナー型

のポジションを目指すことにしました。

そして、生き抜くための手段として、

コミュニケーション

を重視し、スポーツを

論理

で語るようにしたそうです。

すなわち、為末さんは、
自らのブランドポジションを明確に設定し、
そのポジションに合うブランドイメージ構築
するためのコミュニケーションを実践したと
いうわけです。

まさにマーケティング・コミュニケーション!

以前私が書いた記事、

「天才マーケター島田紳助」

では、紳助さんもまた、
「紳助・竜介」コンビのデビュー当時、

「オール阪神・巨人」や「明石家さんま」

との競合を避け、

「ヒール」(悪役)

というブランドポジションを目指し、
そのためのイメージづくりを意識的に行ったことを
紹介しました。

為末さんに対しても、

天才マーケター

の称号を与えるべきなのかもしれませんね。

そういえば、漫画家の西原理恵子さんも、
一浪して「武蔵野美術大学」に入ったものの、
デッサンさえろくにうまくできない自分の画力のなさを
早期に自覚し、同期の仲間とは違う土俵(ポジション)で
生きることを模索したそうです。

独自のブランドポジションを目指すというのは、
要するに

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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