数字の解釈:「達している」のか「過ぎない」のか

2008.12.02

仕事術

数字の解釈:「達している」のか「過ぎない」のか

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

私はリサーチの仕事を通じて、過去20年間にわたり、 アンケート結果や各種統計データなどの様々な数字を 扱ってきました。

さて、リサーチにおける数字の取り扱いは、
一般には次の3段階で行います。(あえて単純化してます)

1.数字(データ)の収集

2.数字の整理・分析

3.分析結果の解釈(読み取り)

過去の記事でも何度か書いた覚えがありますが、
この3段階で最も難しいのが

3.分析結果の解釈(読み取り)

だと私は考えています。

というのも、

・分析結果からどんなことが言えるのか
・どんな仮説が立てられるのか

はデータ自体に内在しているのではなく、
データを解釈しようとする人(解釈者)の

「意図」や「力量」

によって異なってくるからです。

分析結果の解釈は、ある意味主観的な作業です。

同じ数字に対して与えられた様々な解釈のうち、
どの解釈が正しいのかをスパッと決められないことが
多いのです。

また、解釈者の意図、思惑が強く反映されてしまうと、
その解釈はしばしば誘導的なものになります。

先日の新聞記事(日経産業新聞、2008/12/01)
にもそんなケースを発見しました。

首都圏の地上デジタル放送の支柱となる
東京スカイツリーの完成は2011年。
あと3年あまりに迫ってきました。

当タワーの電波送出アンテナの高さは
550メートルであり、現在の東京タワーの
地上250メートルから300メートルも上昇します。

これにより、

東京メトロポリタンテレビジョン(以下東京MX)

は、東京都内の総世帯数の550万世帯に電波を届けられる
ようになるそうです。(現在は高層ビルなどの陰にあるため、
視聴できない場所があるとのこと)

ただ新たな別の問題が発生します。
それは、県境を越えた

電波の漏れ(スピルオーバー)

が発生してしまうことです。

全国局と違い、
視聴エリアを当該都道府県内に限定する

「県域局」

の場合、他局の放送が自局エリアでも見られるとなると、
自局の視聴率に影響を受けてしまうため、

「スピルオーバー」

にはシビアにならざるを得ません。

端的に言えば、
縄張りはお互い守ろうということですね。

東京スカイツリーでの放送開始を控え、
東京MXとテレビ神奈川(tvk)、千葉テレビ放送、
テレビ埼玉、群馬テレビ、とちぎテレビの県域放送局5局は、
このスピルオーバー問題について議論を重ねてきました。

しかし、なかなか合意に達しません。

5局は、東京MXに対して

「県域局としての放送エリアを逸脱しないようにしてほしい」

という要望書を何度も提示しています。

さて、5局の中でも、
特に受ける影響が大きいのが「tvk」だそうです。

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有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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