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メスの股間にも立派なペニスがある動物のハナシ。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
4.2
28,033
2008年10月17日 11:08

深夜にナショナルジオグラフィックチャンネルを見るのが習慣になっている。
その中でも、動物の生態から学ぶことは多い。
厳しい環境で生き残るそれぞれの戦略に、いろんなヒントを見つけることができる。

先日ハイエナを追いかけたドキュメンタリーを見ていたら改めてびっくり。
ブチハイエナのメスには、疑似ペニスがあるのだそうだ。
ペニスと同等以上のサイズにもなるクリトリスや
その根元にぶら下がる偽陰嚢(中には脂肪の塊が入っている)を持ち、
外見上、オスのそれとほとんど区別がつかないという。
むしろオスのそれより、メスの疑似ペニスの方がご立派らしい。
このように、性別がはっきりしないという迷信から、
中世までのキリスト教では、
神を受け入れたかはっきりしないあいまいな人間の象徴として、
ハイエナが用いられていた。


さらに驚くべきは、
この疑似ペニスを使って、ふつうに排尿し、交尾も行ない・・・
出産の時の産道にもなる。
こういう余計な産道を持っているものだから、
他の動物に比べて長さが2倍あるだけでなく、
非常に急角度のカーブを描いていることによって、出産を困難にさせる。
第一子の半数近くは死産、もしくは出産後まもなく死亡する。
ほとんどの子が正常に生まれるようになるのは2度目の妊娠からだという。


では、なぜ・・・
ハイエナのメスのクリトリスは疑似ペニスになったのか?
種の生存にとって不利な産道が、ハイエナのメスには出現したのか?


いくつかの文献を読んでみると、共通して書いてあるのが・・・
1、ハイエナはメス社会で下位メスより、すべてのオスはより下位にいる。
2、10~15頭程度のクラン(clan)と呼ばれる母系の群れを形成し、共同の巣穴で生活する。
完璧な女性上位の社会を形成しているということ。

3、その社会を形成維持するためには、メスの身体にも「攻撃性を誘発する雄性ホルモン物質」が必要なため・・・ブチハイエナの子は、雌雄ともに子宮の中で高濃度のテストステロン=雄性ホルモン物質を浴びて、メスも雄性化した性器を備えて生まれてくると解説されている。

要は、一番大きな疑似ペニスを持っているメスが、
その群れを支配するにふさわしい能力を持っているというわけである。

そして、そのリーダーであるメスの産道は、どのメスよりも長く、一番出産が困難な状況を保有するメスでもある。しかし、裏返せば、その長い産道を通って生き残った子ハイエナほど生命力が強く、次の群れのリーダーになる資格も有するというわけである。ほんと良く出来ているっ。


ハイエナを戦略的に捉えると、
「死肉をあさったり、他の動物の仕留めた餌を横取りしたり=見境のない、ずるい市場戦略」の例えに良く使われるが、
ハイエナから学ぶべきは、
そのずるさではなく、肉体改造を強いてでも群れを守ろうとする「内発的進化」ではないだろうかと思う。


動物の世界では、市場の外部要因を冷静にアタマで判断することはない。
その環境に合わせて、まず身体が反応する→内発的進化を誘導する、その連続によって、生物は具体的にその姿を、最適なものへと変えてきたのだ。

ハイエナをずるい市場戦略をとるシンボルとして捉えていては・・・
いつまで経っても勝ち負けの話しから抜け出せない。

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シリーズ: 生き物から学ぶ

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2008年11月23日
ナショナルジオグラフィック、とても好きです。 自然界の中の...

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