「自律」と「自立」の違いについて

画像: US Department of Education

2015.07.15

組織・人材

「自律」と「自立」の違いについて

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

自律と自立の違いは何か?・・・これを言葉の定義上で理解するのではなく、その原理・原則のイメージを自分の中に据えておくことで、意識の中に長く効果的に定着するのではないだろうか。

・“律”とは、規範やルールのこと。
 つまり、自らの価値観を持って、そしてまた
 組織全体の価値観との整合性を図りながら、
 目的と手段をつくり出し、進んでいける。
 そして他にもはたらきかけることができる。

・意識的な自律をいう

こんなことから、私は、上の数式をメタファーとして、

・3+5=●は、自立レベル
・●+●=8は、半自律レベル
・●+●=○を、自律レベル 

だと研修で説明しています。

こうしたメタファーは、受講者に対してどう効いているか気になるところですが、よく研修後に懇親会などで受講者の方がとお酒を酌み交わすわけですが、そのときに、

「2つのジリツの違いがよくわかりました。
自律は、マル・タス・マル・ハ・マル(●+●=○)ってことですよね」

という声をもらうと一安心ですし、
たぶん、本人の中にこのコンセプトイメージが長く定着するだろうなと思います。

結局、自律的な仕事とは何か?自立と自律の違いは何か?について、
精緻な“コンサルタント的”名文で説明しても、
会社側が要求する“人材要件用語”を並べても、
受講者には滲み込んでいかない。
アタマで文字づらを理解してもハラに吸収されないわけです。

「原理・原則をイメージさせる」ことがキャリア意識を醸成させる研修プログラムにおいて
非常に重要であるとますます感じています。

次回は、この“イメージ”をキーコンセプトとして、面白い実例を紹介したいと思います。

*【補足1】
なお「自律」と「自立」の違いについての詳細議論は、
拙著『“働く”をじっくりみつめなおすための18講義』も参照ください。

*【補足2】
また下のブログ記事でもさらに深掘りしています。
○自律と他律 そして“合律的”働き方
○自立から自律へ、そして自導「セルフ・リーダーシップ」へ 〈上〉
○『ヒポクラテスの宣誓』:プロの原義とは?

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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