ステークホルダー

2008.07.28

仕事術

ステークホルダー

猪熊 篤史

経営やビジネスに不可欠な顧客、投資家、取引先、社員、社会について考えてみたい。

顧客が製品やサービスを必要としない、あるいは、価値を見出さないのであれば、会社の存在意義はない。また、会社が製品を生産し、サービスを提供するために費やすコスト以上の価値を顧客が見出さないのであれば会社は存続しえない。これはビジネスや経営における重要な原則である。

それでは、顧客がいなければ会社は絶対に存在し得ないかというと、必ずしもそうではない。投資家(株主)がいれば会社は存在し得る。投資家が資金を供給する限り、顧客がいなくても、つまり、会社の製品やサービスが売れなくても会社は存続し得る。

では、投資家はなぜ顧客のいない(少ない)会社に資金を供給するのか?それは、会社の製品やサービスが売れて、利益が出る(付加価値を創造する≒社会的価値がある)と思うからである。会社が顧客を獲得しうるという期待、見通し、予測があるからこそ投資家は顧客のいない会社に資金を供給するのである。

顧客と投資家が存在しない場合に会社は存在し得るのか?基本的には、顧客と投資家がいない場合、会社は存在し得ない。自己資金を取り崩して会社を運営するには限界があるだろう。

顧客と投資家の特殊な形として、社会、あるいは、それを代表する行政機関などがある。それらは企業に対して資金を提供したり、信用を供与することによって、企業が顧客や投資家を獲得する手助けをする。

公的な機関が直接資金や信用を供与する組織は、多くの場合、営利企業ではなく、学校や病院などの非営利組織であり、医師や弁護士など公共性の高い仕事をする個人である。免許、資格、登録などの形で信用が与えられるとともに、活動が許される。

企業は顧客を獲得しなければならないが、そのためには資金(資本)が必要である。その資金を投資するのが投資家である。企業は顧客がいなければ中長期的に存続し得ないが、投資家がいなければ活動を開始できない。当初、無報酬で労働力を提供する経営チームなどは一種の投資家の集団だと考えられる。会社が成立するためになくてはならない存在だという意味で、企業活動において最も重要なのは投資家だと言える。

しかし、投資家が資金を投資して、顧客がいても、企業活動が成り立たない。取引先が必要である。金さえ支払えば取引は出来ても、良好な関係がなければ利益が生まれず、中長期的な事業運営は成り立たない。会社にとって社員は、労働力の供給者であって、一種の取引先でもある。また、社員とは、労働という資本を提供して、報酬という対価を得る投資家だと言うこともできる。

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