『親はモンスターじゃない!』(小野田正利)~イチャモンとは…

2008.07.12

ライフ・ソーシャル

『親はモンスターじゃない!』(小野田正利)~イチャモンとは…

寺西 隆行
(株)Z会

『悲鳴をあげる学校』(旬報社)に続く待望の小野田正利(大阪大学教授)の2冊目、『親はモンスターじゃない!』が学事出版より発刊されました。

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

『親はモンスターじゃない!』(小野田正利/学事出版)を購入しました。
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しばらくビジネス書づいていたので、ちょっと教育に触れてみたくなったのと、(お会いしたことはないですけど)大好きな小野田正利(大阪大学教授)の久々の著書でしたので。

本書の副題は

「イチャモンはつながるチャンスだ」

これ、コールセンターのクレームと同じですね。

僕自身の考えは…イチャモンについては

・イチャモンとして扱うこと(つまり、謝る必要のないイチャモンまで謝らない、ということ)
・しかし本人に「イチャモン扱い」をしている感情を見せないこと
・上記2点を抑えて「毅然とした態度」をその場では取ること
・事の後、イチャモンの原因(背景)を熟考すること

が大事だと思っています。
そして、小野田教授も、大体のところは同じように感じていらっしゃるようです。(多分)

イチャモンに対して、表向きにごめんごめんと簡単に謝り、感情の中で「あんなイチャモンまともに相手する必要ないよ」と思う態度が、最もイチャモンに対して失礼で、本質的な解決を生み出さない態度ではないでしょうか。

タイトルの『親はモンスターじゃない!』もそうですね。
モンスターペアレント、という決め付けが最もよくないです(モンスターペアレント、という表現を使うこと自体は、僕自身は否定的ではないんですけど。単なる名称の問題ですので)。
親がモンスターと感じられるようになった背景を追求する姿勢こそが、「モンスターペアレントばかりの世の中」を忌み嫌う人にとって最も大事な姿勢の1つだと思います。

さて、本著の中で、印象に残った一段落が下記です。
(長いので句点で改行させていただきますが、書籍中では改行されていません。ご了解くださいませ)

===

教育への投資は、先ほど述べたモノとしてのビールや、サービスとしてのホテルという類とは異なって、投資に対する見返り、すなわち「費用対効果」がイコールの関係で成り立つことは極めて難しい分野だということです。
学校教育も塾も、そしてお稽古事も、1プラス2になるというのではなく、時には4にも5にもなる可能性がある一方で、0.2ぐらいにしかならない場合もあるということです。
そういう営みの特殊性があるということを、世間が冷静に認識しておくことが、いまの時代の中ではとりわけて重要です。
むろん、それは「だから教師がサボっていい」という開き直りを養護するものではありません。
費用対効果がイコールではないという事実の大事さなのです。

次のページ「弁えましょう」

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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