消費者行動【1】 心のスイッチのON、OFF、ニュートラル

2008.07.03

営業・マーケティング

消費者行動【1】 心のスイッチのON、OFF、ニュートラル

猪熊 篤史

消費者行動をON、OFF、ニュートラルという3つの状態と複数の消費者間におけるそれらの状態の相互作用について考えてみたい。

最近、頭の中に引っかかっている考えがある。もやもやとしていて明確に表現し難いのだが、この場をお借りして概要を解明してみたい。

「消費者」という言葉は、不思議な言葉である。お客さんやお得意様だけではなく、製品・サービスを販売する自分自身あるいは会社自体が何らかの形で「消費者」となる。「日本人は、、、」と日本人が言う時の「日本人」と同じである。言っている本人も含む言葉である。

消費者行動や消費者心理は複雑である。しかし、個々の問題、テーマ、あるいは、対象に対して単純化して考えれば、消費者は、Yes、No、または、中立のどれかの感情や印象を持ち、それに対応して行動すると考えられる。

「Yes」というのは、心のスイッチが「ON」になっている状態である。対象に対して好意的であったり、対象を明確に望む場合である。

「No」というのは、心のスイッチが「OFF」になっている状態である。対象に対して好意的でなかったり、対象を拒絶する場合である。

「中立」というのは、心のスイッチが「ニュートラル」になっている状態である。心の電流が流れそうで、流れない状態である。つまり、対象に対して、自分が好意的なのか、好意的でないのか、対象を望むのか、望まないのか分からない場合、あるいは、自分がそのような判断をする状況にあることを知らない場合、
または、判断の対象になるものの存在に気付いていない場合などである。

ここでは製品・サービスの提供者や企業などもすべて「消費者」として考えている。

消費者1が、あるメッセージを消費者2に伝えたい、あるいはそのメッセージによって消費者2の特定の行動を促したいとする。

この場合、消費者1が消費者2に対してあるメッセージを伝える。それによって消費者2の特定の行動を望むという意味において、消費者1の心のスイッチはONになっている。

一方で、消費者1は消費者3に対してはメッセージを伝えたいと思わず、また、消費者3が、消費者2に期待するのと同じ行動をとることを望んでいないとしよう。この場合、消費者1の消費者3に対して「メッセージを伝えて、特定の行動を期待する」という心のスイッチはOFFになっていることになる。

その他、消費者1の心のスイッチがニュートラルである場合がある。

例えば、誰かを特定できないのだが、あるメッセージを送って、そのメッセージの受け手に特定の行動を期待するという場合である。

あるいは、誰だかわからないが、その消費者がメッセージを受け取って、特定の行動をしてくれたらうれしいのに、そのことに消費者1が気付いていないという場合である。

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