世界を変える会社の作り方~8~

2008.06.20

経営・マネジメント

世界を変える会社の作り方~8~

山口 揚平

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

4章 人、人、人――大事なのは愛。そして愛。

人こそが経営の要

 いよいよ、 “人”の話に移りたいと思います。

 現在、ブルー・マーリン・パートナーズに在籍しているのは、ルーマニアの国費留学生、有能なインターンの学生、完璧に事務をこなしてくれる女性、天才的エンジニアなど約15名です。多種多彩、ユニークな人材に恵まれています。ただ、何回も言っているように、ここに至るまでは失敗続きでした。

 私を助けてくれた人々のうち、何人かは去っていきました。

自分の夢ばかり追いかけ、人の気持ちに思いが至りませんでした。それでは上手くいくわけがありません。さらに失敗続きで焦って余計に上手くいかない…。悪循環でした。

 経営者のエゴやプライドは、事業の大きな妨げになります。そして、“人”の問題こそが、経営の要であり、かつ経営者が一番悩むフィールドだと思います。

人と接する方法

 私が経験から学んだポイントを5点挙げます。

 まず、(1)「自分よりも優れた能力を有する人としか働かない」ということです。絶対、ある部分では自分より優秀であると信じられる部分がなければなりません。

 そして(2)「その人の人生すべてを受け入れない」ことです。経験から言って、人生、つまり全人格を受け入れようとすると、ビジネスが立ち行かなくなります。優秀なポイント、つまり会社のビジョンに資する部分だけにフォーカスし、そのバリューに着目するべきだと思います。自分を含め、完璧な人などいないのだと思います。

 次に、(3)「人を人として扱うか、あるいはモノとして扱うか」。これは究極的命題です。

 先ほども述べたように、全人格を投影すると経営が立ち行かなくなります。ある意味、自分も含め、「人を単なる経営資源として扱う」ような突き放した部分が必要ではないかと考えています。

 ただ、個人としては「人を人として」扱わなければならなりません。(4)「コミュニケーションをしっかりとる」ということが大切です。コミュニケーションの量は質に転嫁します。
 
 ひとつの取り組みとして、当社では、3月からタイムシート制を導入しています。

 タイムシート制には、目的が3つあります。1つめは案件のコストと経費を把握する経営資料とするためです。2つめは、時給制の人に対しての報酬をフィックスするためです。3つめは、その人の生産性と業務内容をトレースする資料とするためです。つまりフィードバックする材料として使うことです。

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