世界を変える会社の作り方~7~

~スタートアップ期(2年間)に生じる壁と対策~  会社とは何か、事業とは何か、お金とは何かといったことをお話したいと思います。  私は起業を決意して、行動を起こし、何度も何度も失敗を繰り返し、ようやく2年を乗り切った新米の経営者です。まだ成功しているわけではありませんが、私がなぜ起業をし、何に失敗し、何を学んだのかについて率直にお話することで、皆さんの将来の糧にしていただければ幸いです。

モグラ叩きはほどほどにする

 本質を考え抜く。この作業はあらゆる場面で大事です。事業をやっていると、さまざまな問題が噴出しますが、しかし表面的な事象に踊らされてはダメです。“モグラ叩き”はほどほどにするべきです。問題の核(コア)、メスを入れるべき根本原因を見すえ、目に見えないスイッチを切らない限り、モグラは永久に顔を出します。
 目に見える現象(表出的問題)の方が良く見えるのでわかりやすいのですが、本来は、問題解決のために“多くをする”必要はないのです。たったひとつの決定的に大事なこと、目に見えないホットボタン(本質)にメスを入れるという考え方が大切です。

ビジネスをブラッシュアップさせる5つの言葉

 ここで、経営者として覚えておくと有効だと思われる言葉をいくつか紹介します。

 まずは(1)「レバレッジ」。小さなインプットで、大きなアウトプットを出すことを意味します。

 次に(2)「スプレッド」、価値と価格に差があることです。優秀な企業家は、スプレッドを探すのが得意です。社会のニーズとすでに提供されているものにスプレッドがあるかどうか、他社と自分の会社にスプレッドがあるかです。

 たとえば、スプレットをうまく見つけた企業の例に、リプラスという会社があります。家賃保証ビジネスを最初に展開した会社ですが、目のつけどころが鋭いです。これまで、不動産を借りる際の問題は、保証人を見つけることでした。とくに外国人などは非常に苦労していたのではないでしょうか。

 そこで家賃回収を同社が保証し、加入者は2~3万円を対価として支払います。オーナーにとっては、家賃未回収のリスクヘッジができ、入居者は敷金や保証人といった、従来の慣行にしばられる必要がなくなります。当時の社会のニーズと、提供されているもののスプレッド(ニーズがあり、供給がなかった)にピタリはまったビジネスだと思います。
 頭がいいなあと思いました。いわゆる保険ビジネスに近い考え方です。保険の本質は、社会全体でボラティリティ(リスクの変動)を下げるということ。私もこれまで保険を否定していたのですが、浅はかだったなと思います。確かに個人的視点で見ると保険に加入するのはナンセンスなのです。自分が死ぬ確率と、保険にかかるコストを割り戻して考えると、もらえる保険金が割に合わない。なぜなら「胴元」である、保険会社が鞘を抜くからです。しかしこれは小さい話だなと思います。社会全体でみると、国民全体のヘッジをみんなでしようという発想に基づいています。社会全体のボラティリティを下げて、個別に徴収するというモデルは社会的で美しいと思います。

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