近年多くの企業がコーチングを導入しています。ただ現場で実践されているかどうかは別問題です。今日訪問したA社でも悩んでおられました。折角導入したコーチングを活かすプラスアルファとは。
今日訪問した会社2社で聞いた話です。
A社は業界トップで改革には終りがないと社長が
明言し、風土的にも上下・横・斜めのコミュニケーションを
重視したエクセレントカンパニーです。
ところがそんなA社にも、内部から見るとまだまだ改革の余地
があるようです。
A社担当者「うちの営業は個人戦は強いが、組織戦が弱く、
情報共有のため、ITインフラも導入しました。しかし個別の
情報交換にはかないません。しかしこの個別の接点
が最近減ってきているのです。」
- それが本質的問題なのですか?
A社担当者「実は場のある、無い自体ではなく、隠れた
課題があると自分は思っています。」
- というと?
A社担当者「社員一人一人が自分で考えるのはいいのですが、
一匹狼的になってしまっており、そもそも他人から学ぼうと
思ってはいないのではないか、と考えています。」
- それは個人のプライドかも知れませんし、逆に同じことをして
成果が出ないと「負けて」しまうという意識かも知れませんね。
A社担当者「で、そういう状況を改善するために、まずマネージャー
が率先して話を聞く姿勢を示し、情報交換の促進をするために、
また若手に対しては自分で考えることができるような指導をする
ために、コーチングを2年前導入したのですよ。」
- 何か変わりましたか?
A社担当者「内容自体は好評ですが、実践できているかと言えば
個人間のバラつきがあるのが実情です。また今まで強面だった
部長が急に話を聞かせてというのが、とってつけたようで気味が
悪いという声も聞かれます(笑)。」
- 画一的なコーチング手法を表面的に繰り返すだけだと
成果は出ませんね。個人差があって当然です。できない人は
なぜできないかを、分かっていない場合があります。
A社担当者「私としては、どうすれば継続し、かつ成果が出るのか
が知りたいのですよ。」
これが本音ですね。
私が訪問する大手企業ではコーチング導入率は高いという印象です。
ところが成果が出ているかは別です。
成果の出るコーチングには高い意識とスキルが必要です。しかし
実際にはコーチングのトレーニングを受けたとしても、個人の
状況や能力は同じではありません。
日によってはじっくり時間をかけるゆとりが無いこともあるでしょう。
人によってはいつもの説教口調につい陥ってしまう場合もあるでしょう。
その人なりに消化したコーチングスタイルを確立するのは大変なこと
なのです。
では自分のスタイルはどう定義し、作りあげればいいのか?
弊社のEQ検査が一つの答えになります。
自分自身の行動傾向の強み・弱みを分かった上で、できることをし、
至らないことは時間をかけて直す、または短期的には外部の
援助を得ることで乗り越えます。
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2010.03.20
2015.12.13
横井 真人
産業能率大学 教授
個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。