ほとんど全ての改革は積み上げ

2008.04.20

経営・マネジメント

ほとんど全ての改革は積み上げ

野町 直弘
調達購買コンサルタント

ビジネスに一発逆転なんてありません。ほとんど全てのビジネスや改革は地道な業務の積み上げの結果です。

事前に考えていた通りでしたが、今週発表した2本のコラム「いけてるバイヤー、いけてないバイヤー」と「いけてる営業マン、いけてない営業マン」で「営業マン」のタイトルのコラムがほぼ倍のアクセスとなっています。

やはり「購買・調達・バイヤー」という業務自体が多くの人たちにとってはあまり関心がない職業であることは間違いないでしょう。

先日セミナーで外部研修について調べてみたのですが、「営業マン」研修は必ずメニュー化されているのに「バイヤー」研修をメニュー化している企業・団体は殆どありません。

「購買・調達」分野に特化したコンサルティングをやっている私にとっては悲しいことです。

理由はいくつか考えられるでしょうが、私は二つに集約されると思っています。

1.買うということは誰でもやっている(できる)ことであり、それを職業としていることをイメージできない

2.マーケティングや企業戦略、事業戦略のように華やかな仕事ではなく、「細かな積み上げ」でしか成果が上げられない

前者は「購買・調達」という仕事の特性なので、それを職業とすることをイメージさせるための活動をするのが私の役割だと思っています。

一方で2の「積み上げ」については、購買だけではない特性と言えます。

お勧め図書でも取り上げましたが拙著
「だったら、世界一の購買部をつくってみろ!」

では、購買という地味ではあるが、仕事をわかりやすくストーリー仕立で説明するとともに、「私もこういう経験があった、そういえばこういう細かなことで感動したことがある」ということを感じてもらえる書籍として、共著者の現役バイヤーとお互いの経験を紐解きつつ執筆をしました。

多くの方にご紹介したところ、意外と購買以外の方から「私の仕事も似ています」という感想をいただいています。(例えば人事の方、生産現場の方、販売の方からも)

そうなんです。
世の中の殆ど全ての仕事って地味な仕事の積み上げなんですね。

私のような企業の改革を支援する仕事も全く積み上げです。
どんなにすぐれたプロセスを構築しようと、どんなにすぐれたITシステムを導入しようと、活用できなければダメ。活用するためには現場の一人一人の意識改革を図っていかなければなりません。

「ほとんど全ての改革は積み上げ」なんです。

ベンチャー企業で成功している会社はビジネスモデルで成功していると評価されることがありますが、私には信じられません。

「まさに1%のコンセプトと99%の実行の積み上げ」これが成功の条件です。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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